僕らの声が言う。 「悪気はなかった」で全部許されると思わないでくれ。

【インタビュー】『シックスティーン症候群』のキャスト4人に女子高生が突撃取材! (2) ビンタされて思わず声が!? 撮影中のハプニング

僕らの声が言う

むしゃくしゃする日曜の夕方だった。 約束していた予定はドタキャンされ、暇つぶしに行ったパチンコはボロクソに負けた。 美容室に行ったら予想の斜め上を行く髪型にされた。 道路を歩いていたら後ろからクラクションを鳴らされ、車の中からオッサンが僕を睨んだ。 僕はむしゃくしゃしていた。 どうしようもないくらいにむしゃくしゃしていた。 そんな時にふとツイッターを見た。 一般的な認識では、結婚の賞味期限は男35歳女30歳で、それぞれプラス5歳が最終消費期限だよ。 周囲を見回しても40代独身男にまともな奴はほとんどいないから、40代独身男は変人扱いされるのもある意味仕方ないよね、それだけは回避すべく、 僕は40歳になる前には見合いをしてでも結婚するよ。 — 説教おじさん partyhike 僕・・・? 僕はいつも思うんだけど、なんで女のライターって、私は子供の頃、親との関係でこう悩んだ、私ってやっぱりおかしい? メンヘラかもしれない…、こんなコンプレックスがあった、私の本当に好きなものはこれ…、みたいに自分のことばっかり書くの? 誰もお前の話なんか聞いてないっていつも思う。 僕は「自分はもしかしたら女かもしれないと知っている男、自分の中に女性性があるのを認めている男」が、男らしい男だと答えました。 — 二村ヒトシ nimurahitoshi こっちも僕。 僕は0が1になる瞬間を見るのが好きなんだよ。 確かに湾岸に文化はない。 でも文化が皆無だからこそ、文化とはどういうことかがよく分かる。 東雲CODANにはじめてマリナーラがOPENした日の大行列、みんなでS字アベニューで星空の下でロストントランスレーションを見た日のこと、俺は忘れない。 — 田端 信太郎 tabbata また「僕」だ。 藤沢数希からサマンサタバタまで、みんなが自分のことを「僕」という。 何かの陰謀のようにも思えた。 僕は常々思っていた。 いい歳したオッサンが自分を 「僕」と呼ぶのはどうなんだろかと。 いかにもナルシストっぽいじゃないかと。 いかにもナルシストなのに、なんでどいつもこいつも人気者なんだと。 アルファツイッタラーなんだと。 そう考えるとさらにむしゃくしゃして、世の中の全ての不幸は、自分のことを「僕」と呼ぶキモいオッサンのせいな気がしてきた。 僕はなんとしても、いい歳して自分のことを「僕」と呼ぶオッサンに、「僕」がいかにキモいかを証明しなければならない。 これは僕に課せられたミッションのように思えた。 そしてこれは、僕にしかできないとも思った。 誰かが言わなければならなかった。 いい歳こいて「僕」はキモいよ、と。 しかし、敵はアルファツイッタラー軍である。 僕一人が世界の中心で「キモいキモい」と叫んでも彼らの心を打つことはできないだろう。 そこで必要なのが、 美女の力である。 美女にキモいと言われたら、否が応でも認めなければならないだろう。 「僕」はキモいと。 無印良品有楽町店でノートとペンを購入した。 さぁ、調査の始まりだ! 【1~3人目】 止まらない美女 アンケートなど簡単だと思っていた。 気軽に声をかけて、答えてもらえばいい。 楽勝だ。 ・・・甘かった。 すみません! ちょっと 銀座を歩く美女にアンケートしたいんですけど・・・ すいません、用事あるので。 立て続けに3人にヒラリと身をかわされ、今回のミッションが一筋縄ではいかないことを悟った。 みんな、冷たい。 しかし、これは相手の立場に立って考えると自明のことだった。 たとえば自分が街でいきなり、 「よかったらアンケートにご協力ください」 なんて言われて、喜んで協力するだろうか? いや、しないだろう。 時間の無駄だからだ。 話をしたいならば、 楽しそうな雰囲気を醸し出さなければいけない。 相手の時間を奪うのではなく、自分の時間を使って相手にエンタメを提供するのだ。 楽しそうに、でも怪しい訳でもない。 そんな声かけをする必要があった。 大丈夫。 僕ならできる。 必ず、かの邪智暴虐の「僕」を除かねばならぬ。 諦めたらそこで試合終了だ。 僕は次のターゲットを探すべく、街を歩いた。 【4人目】 初めてのアンケート 並木通りに舞台を移した。 有楽町駅は用事がある女の子が多い。 一人で暇を持て余している子はむしろ銀座の横道に多いと考えた。 休日の並木通りは夜と違って人通りもまばらだった。 前の方から金髪の女の子が歩いてくる。 専門学校生だろうか? すれ違いさまに声をかける。 ちょ!めっちゃ美人! え、なんですか!? めっっちゃ美人にだけアンケートしてるんですけど、3分だけ美女の時間もらってもいいですか? 笑 いいですよw 快諾してくれた! ありがとう! サイトの企画で、自分のことを「僕」と呼ぶ男って、女子から見て実際どーなのか、ってアンケート取ってるんですよ。 自分のことを「僕」と呼ぶのって、ぶっちゃけアリですか? 全然アリですよ。 え? え? 「僕」でもいいんですか? うん。 親しくない時とか、僕がいい。 えっと・・・じゃあ、彼氏だったら? 彼氏なら俺かな~。 俺の方が自信がありそうに見えるから。 でも 僕でも別にいいですよ えっと、たぶん、 自分の年代の男の人のこと考えてますよね? 笑 さ、 30代の男が自分のことを「僕」と言ったら、どうでしょう? えー!30代はダメ! 俺で! ですよね!よかった! え? では、 今を生きる30代に何かメッセージお願いできますか? ノートのこっち側に適当に何か書く感じで・・・。 えー困るな・・・どうしよう・・・ おお、ニコちゃん!ありがとうございました~! どうも~。 やっと一人、アンケートを取ることができた。 僕は意外とアリなのか?困惑を隠し切れない。 キモいという言質を取ろうという 悪意に満ちたアンケートは、序盤から波乱の予感がした。 なお、美女には一切連絡先などを聞くことはなかった。 ナンパの神である永沢という男が言っていた。 「人の善意につけ込むナンパをしてはならない」 僕はその言葉を守り、そして身バレから自分を守るため、一切の下心を隠した。 アンケート結果だけが僕のリアルだった。 【5人目】 進撃の並木道 並木通りのアンケートはすこぶる快調だった。 用事のある子にとってはアンケートなどうざいに違いないが、一人で退屈そうに歩いている子にとっては、意味不明なアンケートは良い暇つぶしになるのかもしれない。 いずれにしても、僕にとってはありがたいことだった。 今度は、 20代OLと思われる女性が立ち止まってくれた。 たとえば会社の30代の男の人が自分のことを「僕」と呼ぶのはどう思います? え、 全然アリです。 むしろいい。 か、彼氏が「僕」でもアリっすか? 全然気にしないです。 「僕」でいい。 そうなんですか、いや実はボクも、「僕」がいいなと思ってたんですよ! やっぱりボクですよね、ハハハ。 ところで、30代男性に向けたメッセージをこのノートに書いてくれませんか? や、それはちょっと・・・ ですよね!すみません!ありがとうございました! おかしい。 完全に誤算である。 何度でも言うが、俺は自分のことを「僕」などと呼ぶオッサンはキモいと思っていた。 漂うナルシスト臭、そして 加齢臭。 動かぬ証拠を突きつけて、「僕」はキモいよと全世界に発信したかった。 おかしい。 世の女性は、 意外にも「僕」を嫌がっていないようである。 完全に誤算だ。 これじゃ俺はピエロだ。 まだ確信が持てなかった。 もっとデータが必要だ。 大丈夫。 今、僕はノッている。 データはすぐに集まるはずだ。 高笑いしながら銀座を歩いた。 【9人目】 木漏れ日の中の天使 場所を変えて仕切り直しする。 辺りを物色していると、ふと・・・とても良い香りがしたような気がした。 背筋をまっすぐに伸ばし、銀座の横道を歩く。 迷いの無い後ろ姿だった。 僕はそのオーラを恐れながらも、勇気を出して近づく。 こ、こんにちは! はい か、可愛い! なんて可愛いんだ。 銀座の人混みの中、この方だけ木漏れ日の中にいるようだった。 あ、あの、銀座を歩く美女にちょっとアンケートしておりまして! クスクス・・・と笑う。 笑い方がとても上品だ。 彼女は 東京姉妹ではないと確信した。 ちょっとだけお話聞いてもよろしいですか? ・・・。 ニコッ はい・・・!いいですよ! ま、眩しい! なんて眩しいんだ! なんで君は、美女のくせにこんなに優しいんだ! 30代の男って、自分のことを「俺」と呼んだり、「僕」と呼んだり、「私」と呼んだり・・・。 ぶっちゃけ、女の人から見て30代は自分をなんて呼ぶといいものか、聞いてみたかったんです。 そうですねぇ。 木漏れ日の美女はゆっくりと口を開き、語り始めた。 まず・・・「俺」だと気にならないですね。 世の中には「俺」人口が多いですから。 そんな中で、 ナチュラルに「僕」と言える人がいたらかわいいな、と思います。 自然な「僕」は素敵です。 なるほど。 プライベートだったらどうでしょう? お姉さん彼氏いるんですか?と聞きたい気持ちをグッと抑える。 このままお茶に誘ってしまいたかった。 永沢さん、男は辛いよ。 彼氏だったら・・・。 そうですね、俺だと気にならないです。 でも個人的には、「僕」も嫌いじゃない。 それもキャラによりますね。 自然と「僕」が出る人はすごく上品だな、と思います。 丁寧に答えてくれて本当ありがとうございます! さ、最後にお願いなんですが・・・ 世の中の30代の、それもモテたくて頑張ってる独身のサラリーマンに、一言でいいので、エールというか、メッセージをお願いできますか? ・・・はい、いいですよ! 男性は、30歳からこそ格好いい! ますます輝いてください!! 天使かお前は! しかも達筆! もう僕でも俺でも私でもなんでも良くなってきたわ。 なんでもいい! 俺たちは仕事を・・・! 仕事を頑張ろう! ありがとうありがとう。 本当にありがとう。 30代からこそ格好いい。 男はこれからだ! 三十路だって大丈夫!こっから輝いていこうよ!頭以外で! 【10~15人目】 忘れかけていた痛み 美女にパワーをもらって再び銀座の街を歩き出す。 僕はあともう2人、合計5人の美女の意見を集めたいと思い、声をかけ続けた。 途中、退屈そうに歩いている女の子が、歩きながら答えてくれた。 男は自分のこと、なんて呼べばいいかな? 「俺」! ありがとうございましたと会話を終わらせる。 その後は、誰も足を止めてはくれなかった。 美女と話して慢心していたのかもしれない。 絶不調だった。 誰も相手にしてくれなかった。 半年くらい前まで、僕はよく街でナンパをしていて、そのときは誰に無視されても何も傷つくことはなかった。 心に重たい鎧を着て、傷つかないように、自分を麻痺させながら声をかけていた。 女の子に無視されるって、傷つくんだな。 自分を守っていた殻を捨てて、素のままの自分で、人と話す。 生身の自分は繊細で、ちょっとしたことにも傷つきやすい人間だったんだ。 そして、これが人と「生身でぶつかる」ってことだったんだよな。 当たり前のことに今更気付いた気がした。 この痛みを忘れないようにしたい。 【16人目】 靴が脱げたシンデレラ 有楽町に戻り、ブラブラと歩いていた。 もう帰ってしまおうかと弱気になり、虚ろな目でデパートの入口でボーッとしていた。 すると、目の前で突然、女の子の靴が脱げた。 大丈夫ですか!? 白々しく声をかける。 顔を上げた女の子は、美女だった。 照れ笑いしながら答える。 はい、大丈夫です 笑 めっちゃ靴脱げてましたね 笑 びっくりしましたw 美女はそのままデパートの中に歩いて行く。 ここしかない・・・! あの・・・! はい? いま、実はとあるウェブサイトの企画でアンケートしてまして! はい。 一瞬だけ、ほんの少しだけ、お時間もらってアンケートしてもいいですか? ・・・・。 ニコッ いいですよ!笑 30代の男って、自分のこと色んな呼び方するんですよ。 僕だったり、俺だったり、私だったり。 で、美女から見て、どんな呼び方する30代男がいいのかなって。 なんかこう、好みってあります? もはや恒例ではあるが、仕事を丸投げするダメな上司さながらに、曖昧な質問を投げた。 えっとですね、 私は「僕」がいいです。 それは、会社でもプライベートでも? はい、「僕」がいい。 だって、 育ちが良さそうじゃないですか! もはや「僕」がアリなことは疑いようのない事実だった。 この子も、まごうことなく美女だ。 色んな男性にデートに誘われ、たくさんの男の人を観察してきた結果、「僕」でいいと言っているのだろう。 ありがとうございます! 最後に・・・最後になんですが・・・ 今を一生懸命生きている30代の男性に向けて、何か一言、メッセージをいただけますか? 笑 どうしよう、困ったな。 わかりました。 仕事がシュミという人がすてきです。 彼女は迷いなく、まっすぐな目で言った。 30代は仕事やってナンボです。 仕事ができる人が、カッコイイと。 オジサンよ、大志を抱け。 誰に頼まれるでもなく銀座を歩き、何の意味があるかわからぬまま女の子に質問し続けた。 そしてたどり着いた結論は、 自分のことをなんて呼ぶかなんて関係ない。 僕でも俺でも私でも、なんなら僕ちゃんだっていい。 30代は、仕事で輝いてナンボ。 仕事ができる30代は、カッコイイ。 当たり前の事実に、当たり前に気付かされた。 彼女たちの言葉は嘘偽らぬ本音だったと思う。 30代は、とにかく仕事を頑張れ。 欲しいものは、きっと後からついてくる。 それが銀座を歩いて手に入れた、俺なりの結論だった。 オジサンよ、大志を抱け。 仕事を頑張る30代は、きっとカッコイイ。 hideyoshi1537.

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沢田研二の糖尿病告白報道「プライバシーの侵害では」批判の声も

僕らの声が言う

トラブルの内容については社外秘なので差し控えさせていただくが致命的なものから些細なものまであらゆるトラブルを定期的に起こす人がいて周りにいる同僚各位が疲弊している。 彼の人は「悪気はなかった」と言い訳するが、それが問題をややこしいものにしていた。 繰り返されるワルギハナカッターが、周りの怒り爆発のトリガーになっていた。 その様子を見ていて「直接、本人に注意すればいいじゃないか」と助言したら、どーぞどーぞ、そこまで言うなら言ってください、と背中を押されて、僕が注意することになってしまった。 僕はトラブルマンに声をかけて時間をもらい注意した。 もう少し慎重にことにあたったほうがよいのではないか、と。 「注意はしていますが…ミスのない人はいませんよね?」と彼は反論してきた。 「ミスのない人はいない」「じゃ、悪気はないのだからいいじゃないですか」出た!悪気ナッシング。 「悪気の有無の話はやめたほうがいいのではないかな」「なぜですか?」「悪気がないと言われ続けると、惰性で言っているだけなんじゃないかと人は思うんだよ」「本当に悪気はないんです」だーかーらー。 それがトリガーになっているんだっつーの。 僕は言った。 「なかったのは悪気ではなく相手への配慮では。 悪気はなくて当たり前。 もし悪気があってやっていたら君はテロリストじゃないか」トラブルマンは完全に沈黙した。 「なかったのは知性と常識」まで言ったら人工呼吸が必要だったかもしれない。 彼のように悪気がないといえば許されると考えている人は多い。 だが、悪気の有無をはじめ、人の心はわからない。 だから僕らはそれらを結果と行動から推しはかり、推しはかられる。 そもそも、悪気がないといえば免責されるという考えは甘えだと僕は思う。 「とりあえず悪気がないといって謝るのはヤメなさい」と僕は彼にいった。 「確かに部長の言われるとおりですね」彼は納得した様子であった。 数日後、その納得はちがう意味であったことを思い知らされて僕は死んだ。 トラブルマンがまたミスをおかした。 〆切勘違いという致命的なミスだ。 周りから注意されても「謝っても問題は解決しません。 まずはこの問題を解決する方法について皆で話合いましょう」という彼と、フザケンナヨーという雰囲気の周囲とで険悪なムードになっていた。 彼は僕の教えたとおり、「悪気はなかった」とは言ってなかった。 そして僕が教えたとおり謝るのをヤメていた。 僕はトラブルマンを呼び出して「大の大人に何回も言いたくないけれど、もうすこし周りに配慮してよ」と注文を入れた。 「私なりに気をつけているつもりです。 私からもいいですか?」「何に対して?」「部長に対してです」なんとー。 「聞こうじゃないか」余裕を見せる。 「配慮と仰いますが、先日の私に対するテロリスト呼ばわりは言い過ぎではありませんか?少なくとも配慮に欠けていると思います」確かにそうだ。 テロリストはバイオレンス。 意地の悪い言いかたで、配慮に欠けていると指摘されてもしかたない。 「確かにテロリストという喩えはよくなかった。 謝ります」僕は言った。 「私はテロリストのように無差別に民衆をキズつけません。 被害は一部の社員に絞られますからね」そこかよ…。 「それから部長」「何」「部長は悪気はないというなと仰りますが、部長も私を注意するとき必ず《悪気はないけど》と言ってますよ?」嘘… 数日の自分の発言を振り返った。 「もう少し慎重にことにあたったほうがよいのでは。 《誤解のないように言っておくけど悪気はないからね》」「君はテロリストじゃないか。 わかってると思うけど《悪気があって言っているわけじゃないよ》」「大の大人に何回も言いたくないけれど、もうすこし配慮してよ。 《これは悪気があって言っているわけじゃないからね》」「確かにテロリストはよくなかった。 謝ります。 《この発言も悪気はなかったんだ》」…確かに言っていた。 僕らは《悪気はなかった》といえば多少キツいことを言っても許される…そんな症候群を患っている。 「部長も気を付けてくださいね。 これは悪気があって言っているんじゃありませんよ。 心配からです」とトラブルマンは言った。 正論だけど何かムカついた。 それは、彼の言葉に、強い復讐心と、悪意の存在しか感じなかったからだ。

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「身体の声」をちゃんと聞いていますか?

僕らの声が言う

僕が大きな声で入れたツッコミは周囲の人の注目を引いた…。 その事に恥ずかしくなって、僕は目の前にいた…ちょっときわどい格好をした お 姉 さ んの手を取り、ダッシュでその場を離れていった。 「はぁ、はぁ、はぁ…ったく、恥ずかしい目にあった…。 」 「オマエ ダイジョウブ カ?」 と、外見からは想像出来ないほど、拙つたない喋り方をするお姉さん…先ほどまで犬みたいな姿をしていたとは到底思えないほどの野性味の溢れた『美少女』が、僕の前にいる…。 ここで個人的に『人狼』と言う物について考えてみる。 人と狼も字が使われている…以上!…って 巫山戯 ( ふざけ )た話ではない。 僕の知っている『人狼』とは、狼が人みたいに二本足で歩いたり、人間みたいに道具を手…前足?で器用に使えるヤツの事だ。 狼をベースにしている為、狼の部分が強い…当然、顔も狼だし全身に毛が生えている。 狼人間と呼ばれている物…これが僕の知っている人狼と言う生き物だ。 では、今、僕の目の前にいる人狼化したフェンリルはどうだろう。 ハッキリ言おう…まずベースはナイスバディーなお姉さんと言って良いだろう。 確かに、獣耳だが顔は人間そのものだ。 それから…体はレオタードみたい形で、体を毛が覆っている。 あと、手首から肘まで、足首から膝までと言った部分も毛で覆われている。 極め付けは…手足が人間のそれとは違い、どちらかと言うと獣に近い。 簡単に言うと、肉球がある…ぷにぷにしたら気持ちよさそうだ。 そして…当然ながら尻尾もある…って事で、人狼と言うよりも、獣人になったと言われた方が何倍も説得力がある。 それよりも僕が驚いたのが…『美少女』と言った事からも分かる様に、メス…つまり女性だった。 ずっと『オレ』と言っているから、てっきり男だと思っていたが、女だったのだ。 「フェルンリル…君、女の子だったのか…。 」 「オレ ノ ナカマ ゼンブ メス フェンリル オス イナイ」 昔読んだ漫画に、男嫌いな月の女神に仕えていたフェルンリル狼は、月から全ての男を追放して、フェンリル狼は全てメスになってしまった…とか言うのがあったが…アレと同じなのだろうか? しかし…人化したプリンに勝るとも劣らないほどのプロポーション…いや、プリンみたいに痩せている女の子と言う感じではなく、無駄なく鍛え上げた感じで、力強い雰囲気が漂っている反面、胸など…出る所は立派に出てると言う印象を、惜しみなく与えてくる。 外見から受けるイメージとして分かり易く表現をするなら…もし、格闘家と言う職業が、この世界にもあるならば…その表現が一番しっくりする事だろう…たぶん…。 「ソレヨリ コレ デ ツイテ イク ダイジョウブ ダナ?」 「大丈夫な訳無いだろ…僕が言ったのは人化…君が使ったのは人狼化…全くの別物。 つまり、条件を満たしてないって事だ。 」 「オマエ ウソツキ オレ ヒト ノ スガタ ナッタ」 ダメだ…こっちの話をまともに聞いてくれない…。 こうなったら…最後の手段だ。 「分かった…そこまで言うなら…僕のペットになるなら付いてきて良いよ。 ただし…その場合は、僕のペットなんだから、僕に対して絶対服従して貰うからね?」 さすがに、こう言えば神獣ならプライドが高いはず…フェンリルは怒って、どこかへ行くはずだ。 そうなれば、僕もこれ以上、危険な物に付きまとわれなくて良い。 もっとも、怒りで攻撃してくる可能性も、 無 ( な )きにしも 非 ( あら )ず、だが…。 「ワカッタ ペット ナル ニクキュウ ヤ アタマ サワラセ テ ヤル ソノカワリ ニク イッパイ クワセロ」 「分かってくれて良かっ…って、いやいやいや、君、神獣だし…フェンリルだろッ!? 自分で言うのも何だが、僕みたいな人間如きに従うってフェンリルとしてのプライドとかないの!?」 「オマエ タダ ノ ヒトゾク チガウ オレ ヨリ ツヨイ チカラ カクシテル ダカラ オレ オマエニ シタガウ」 強い力を隠してる?それって魔王化の事か?いやいや、そう言う問題じゃない! どうもこの世界の人…って言うか、生き物…強ければ全て許されるって感が物凄く強いんだけど…なんつーか、焼き肉定食…もとい、弱肉強食過ぎるんじゃね? だがまぁ…はぁ~何か疲れた…もう、どうとでもなれ…。 僕はフェンリルを半ば無視する様に、再びギルドへ向かうのだった…。

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