怒り 映画。 映画『怒り』は実話?モデルになった事件、市橋達也の逃亡生活。

広瀬すず、限界を超えた過激な演技!映画「怒り」は女優魂のガチ勝負!

怒り 映画

2016年あたりの邦画は、「何者」、「秘密」など、豪華なキャストを並べたてたポスターになっているものをよく見かけたけれど、「怒り」もその中の1つだ。 この時期の流行りなのかもしれない。 たしかに、 誰が出演しているかというのが観る基準の1つに入っている人には訴求力はある。 そして、そのパッケージ通りにキャストは 主役経験者ばかりの、豪華な布陣だ。 渡辺謙、宮崎あおい、松山ケンイチ、妻夫木聡、綾野剛、森山未來、広瀬すず 主要メンバーだけでこの豪華さ。 邦画好きならこの中で1人ぐらいは好きな役者がいることだろう。 そして、その期待はもちろん裏切らない。 宮崎あおいは、少し頭の弱い純粋な役を、松山ケンイチ、綾野剛はどこか影のある役を。 その誰もが役をこなしているおかげで、 どのシーンにおいても、ずっと見応えがあった。 そして、広瀬すず。 この若さで、この演技ができるのかと驚嘆した。 もともと好きな役者だったけれど、下手な濡れ場のシーンなんかより難しいシーンを観てさらに注目することは必至だ。 音楽は、坂本龍一担当 音楽は、坂本龍一が担当する。 この映画に出てくる、怒りや悲しみ、人間の感情をひっくるめた儚げな音楽は映画の良さをより一層引き立たせる。 Apple Musicでも聞けるので、映画を見たら是非聞いてほしい。 人が「怒り」を感じるというのはどういうことなのか。 という映画の主題よりも重要なサブタイトルがこの映画にはある。 それは「信頼」だ。 人間は、人間をどこまで信じられるのか。 それがこの映画の副題とも呼べるため、注目して見てほしい。 映画内でも出てくるが、相手の口から真相を聞いたところで、 受け取り側がどう受け止めるかがすべてであり、 信頼して信用しなければ何も変わらないわけだ。 見ず知らずの人間をどう信じようというのか。 どれだけ信頼していても、 ちょっとした出来事1つで信用できなくなってしまう。 そんな人間の葛藤がこの映画によくあらわれている。 映画「怒り」ネタバレ考察 ここからはネタバレも含むので未見の人は、見てからにしてほしい。 結局、コミュ力で信用は変わる現実• 連続殺人事件の容疑者と思わしき人物3人に焦点を当てて、他人との関わりの中で信頼を獲得していく。 彼らを信じるもの疑うもの。 信じているが、最後には疑ってしまうもの。 人それぞれだが、結局のところ 信用という目に見えないゲージは1つのステータスによって上下する。 そう、 コミュ力だ。 連続殺人事件の犯人の雰囲気に似ている3人、田代 哲也(松山ケンイチ)、大西 直人(綾野剛)、田中 信吾(森山未來)。 性格は人それぞれだが、田代と大西は寡黙で自分のことをあまり話したがらない。 いや、自分のことを話さないのは田中も同じだ。 しかし、田中は自分を偽っている雰囲気を感じさせない。 他人を拒んでいないのだ。 そう、田中には2人にはないコミュ力を備えている。 彼は無人島にいながらも、沖縄の民宿で働き、信用を得ている。 少年と少女と楽しく飲み明かしたりする。 かっこよく「お前の味方だ」などというセリフを吐ける。 それとは対照的に、田代と大西は、そのコミュ力の低さから 信頼されていたはずの人間に疑いを抱かせてしまう。 同じモンタージュ写真を見て、ずっと近くにいて信頼関係を気づいてきたはずの2人は疑われる。 大西は藤田(妻夫木聡)の母の死を一緒に看取ってくれ、常に一緒に生活した仲なのに、田代は本当に信頼できる人にだけ自分の過去を正直に打ち明けたのに。 しかし、田中は全く疑われない。 民宿の母親は、似ているとおもうが、まさかホンモノだと疑いもしない。 少女も少年も信用している。 コミュ力だ。 コミュ力で全てが決まってしまう。 コミュ力のないものにはさぞかしつらい現実がそこにある。 年をとるほど疑り深くなる 3人にはコミュ力の違いがあったが、 その周囲には年齢の違いがあった。 槙洋平(渡辺謙)は、娘の愛子(宮崎あおい)と田代が恋愛関係に発展してから疑惑の念が頭から離れなくなる。 藤田は、モンタージュ写真を確認し、友だちが泥棒に入られたことから疑念を抱く。 愛子は、洋平が疑いだしたときはきっぱりと否定していたが、 だんだんと信じられなくなっていく。 しかし、 泉(広瀬すず)、辰哉は違う。 疑うことはしない。 田中のコミュ力が高いということもあるが、 子どもは純粋に人を信じることができる。 ここでいう子どもとは、精神年齢のようなものだ。 愛子は純粋だったため、最初は信用していた。 しかし、それでも泉たちとは違う。 彼女もまた大人になっていた。 人生を経験するにつれて、人は人に疑り深くなっていく。 簡単に信用できず、信用しても 関係のない第三者の情報で簡単に疑惑を抱いてしまう。 人に裏切られたことばかりではないはずなのに。 信用することもたくさんあったはずなのに。 田中はなぜ殺したのか• なぜ殺したのか。 その答えだけであれば理由は単純だ。 彼は他人を見下すことで自我を保つような人間だった。 そんな人間が 人から憐れみを受ける屈辱を味わったのだ。 それが殺した動機だ。 怒りを感じたとき、つい言いすぎてしまうことがないだろうか。 それと同じで、田中は「怒り」がわくと自分を制御することができなくなる。 そして殺人にまで発展してしまう。 彼が逆上したときにとる行動は2つ。 逆上したまま暴れまわるか、逆立ちをするかだ。 沖縄の民宿でも最後には暴れまわった後、我に返って無人島に逃げていった。 そして逆立ちをすることで怒りを鎮める。 辰哉が「本気で怒っていることを伝えるのは難しい」と言っていたように、目に見えない感情は相手には伝わらない。 田中にとって人から憐みを受けることは、本気で「怒り」を感じることなのだ。 あとがき モンタージュ写真は、松山ケンイチや綾野剛には似ていたけど、森山未來にはあまり似ていなかったのはわざとなのか。 しかし、あれほど皆が絶妙に似ているというのもおもしろい。 指名手配写真はよく見かけるけれど犯人かと疑う人にはあったことない。 これだけ似ていると、多少繋がりのある人間なら気づくものなのかもしれない。 主演は渡辺謙とあるが、この実力はぞろいの俳優の仲で一番年齢が高いという点で選ばれたように思う。 渡辺謙自体も重要な役どころではあるが、主演の役どころとはちょっと違う気がする。

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怒り(映画)ネタバレ。山神の動機や落書き内容の意味に疑問の声も

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映画「怒り」キャスト一覧 映画「怒り」のキャスト一覧は以下の通り。 【映画「怒り」キャスト一覧(千葉編)】 槙洋平…渡辺謙 田代哲也…松山ケンイチ 槙愛子…宮崎あおい 明日香…池脇千鶴 【映画「怒り」キャスト一覧(東京編)】 藤田優馬…妻夫木聡 大西直人…綾野剛 薫…高畑充希 藤田貴子…原日出子 【映画「怒り」キャスト一覧(沖縄編)】 田中信吾…森山未來 小宮山泉…広瀬すず 知念辰也…佐久本宝 キャスト一覧を見るとどの方も主演を演じるような 豪華なキャスト陣で構成されていることがわかる。 映画「怒り」のあらすじ 1年前に発生した一つの事件から物語がスタートする。 その事件とは八王子で起きた夫婦惨殺事件。 さらに現場には、被害者の血で書かれた「怒」という 落書きのような文字が残されているという不可解な事件で 警察の捜査によって犯人の名前は「山神一也」だと判明するものの 山神は整形手術を受けて逃亡。 1年経った現在も山神の逮捕には至っておらず警察が捜査を続けている矢先 千葉、東京、沖縄で3人の謎の男が登場し それぞれの3つの物語が山神の逃走によって様々な展開を迎えることとなる。 映画「怒り」千葉編 田代哲也 千葉県南房総半島の港町に住む 槙洋平(渡辺謙)と一人娘の愛子(宮崎あおい)。 洋平の妻は8年前に亡くなり、男手一つで愛子を育ててきた。 しかし、愛子は大学を卒業後、家出を繰り返す中で男に声をかけられ 東京の歌舞伎町の風俗店で働いてしまう。 その事実を知った洋平は愛子を連れ戻し、平穏な日々を送っていたが 愛子が仕事先を求めて洋平の勤め先の漁協を訪れ、その漁協で働いていたのが 田代哲也(松山ケンイチ)だった。 愛子は無事漁協で働く事が決まると、田代と出会い 二人は意気投合して交際関係へと発展していった。 映画「怒り」東京編 大西直人 東京の大手通信会社に勤める藤田優馬(妻夫木聡)は同性愛者だった。 ある日、男同士が出会う場で大西直人(綾野剛)と出会う。 どこか大西の事が気になった優馬は大西を食事に誘うと 大西は「行く宛がない」と言い始めたため 自分の家に泊めることに。 それがきっかけで二人は意気投合し、同棲生活を始めることに。 映画「怒り」沖縄編 田中信吾 福岡から沖縄の高校に転入してきた 高校1年生の小宮山泉(広瀬すず)。 その泉に思いを寄せていたのが違うクラスの 知念辰哉(佐久本宝)だった。 二人は友達関係として仲が良く ある日辰哉に誘われる形でボートに乗って無人島・星島を訪れる。 その島で泉はこの島の廃墟に住んでいる田中信吾(森山未來)と出会う。 泉は田中に「ここに住んでいることは誰にも言わないでほしい」と言われたため 一緒に星島を訪れた辰哉に田中の存在を明かすことしなかった。 それどころか泉は田中の存在が気になり、辰哉に頼んで 星島にボートを出してもらい、田中に会いに行くようになっていた。 ここから先はネタバレを含みます。 映画「怒り」千葉編ネタバレ 田代哲也が姿を消す 愛子と田代は同棲生活をスタートさせていた。 洋平も一人娘の同棲に心配を抱えていたが、仕方ないと感情を押し殺していた。 そんな中、警察が整形後の山神一也の写真を公開する。 その写真をよく見てみると田代の顔とそっくりだったのだ。 心配になった洋平は田代の以前の勤務先を調査すると 以前の勤務先では高橋と名乗っていたことが判明した。 田代は偽名を使用していたことに関して 「親の借金取りから逃れるため」だと説明していたものの 愛子も田代に疑問を感じ、警察に連絡してしまう。 これによって田代は姿を消したのだ。 映画「怒り」東京編ネタバレ 大西直人が姿を消す 大西と同棲生活を送っていた優馬であったが立て続けに友人宅で窃盗被害が発生する。 優馬は無職でお金がなく、人の携帯を勝手に見る行動を取っていた 大西が犯人なのではないかと疑いを持ち始める。 そんな中、優馬はカフェで知らない女性と会っている大西を目撃。 自分は大西に利用されているだけなのではないかと疑いが膨れていった中 警察が公開した山神一也の写真を見て ホクロの位置が大西と一致しているのに気づいてしまい 「お前が山神一也じゃないよな?」と直接大西に聞いたのを境に 大西は優馬の前から姿を消してしまった。 映画「怒り」沖縄編ネタバレ 田中信吾 泉と辰哉はある日、那覇に出かけていた。 すると、無人島・星島にいるはずの田中の姿を発見する。 田中は那覇の居酒屋でアルバイトをしているといい 泉は辰哉とともに田中のアルバイト先へ。 そこで辰哉は酔い潰れてしまい、泉は辰哉を残して 用事があるため、一人街へと出て行った。 その際に立ち寄った公園で泉が2人の米兵に乱暴されそうになってしまう。 泉はもうダメかと諦めかけた時に誰かが警察を大声で呼ぶ声が聞こえ 2人の米兵たちは逃げ出し、難を逃れたのであった。 後に辰哉が田中の元を訪れると「大声を出したのは自分だ」と田中が言ったため そこから二人の仲が良くなり、辰哉のアルバイト先で田中は働くこととなった。 辰哉は田中の印象について親しみやすい良い奴と感じていたが ある日、田中がお客さんの荷物を雑に扱っている姿を目撃する。 これによって田中に対して不信感を抱いていた。 スポンサードリンク 映画「怒り」ネタバレ結末 山神一也の正体は田中信吾だった ある日、泉は田中が住んでいた廃墟を訪れる。 すると、廃墟には無数の「怒」という文字が。 泉は事件のことを知らなかったため、この時点で殺人事件を起こした犯人であると思わなかったものの 田中に対して不気味な印象を受けたのであった。 そして、事件を追っていた警察がついに訪れる。 警察の話を聞いて事件の内容をくみ取った泉は辰哉を誘い出し 田中の廃墟を訪れた。 すると、以前目撃した「怒」という文字の他にも 「米兵にやられている女を見た 知っている女だった ウケる」 「どっかのおっさんがポリスって叫んで終了」 「逃げずに最後までやれよ米兵」 「女気絶 ウケる」 と衝撃的な内容の落書きがあったのだ。 そう、田中は泉が米兵に襲われていた際に大声を出したのではなく 傍観して楽しんでいたのである。 これを知った辰哉は田中を刺してしまったのだ。 田中はそのまま亡くなったため、事件の全容は闇の中に。 映画「怒り」千葉編ネタバレ 田代哲也の結末はどうなった? 愛子の警察への通報によって姿を消していた田代だが 山神ではなく、前科もなかったことが判明した。 この結果に田代を信用してあげられなかった洋平と愛子は酷く後悔した。 田代哲也の本名は柳本康平といい、親の借金取りから逃れるために偽名を使っていたのは事実だった。 事実を知った洋平と愛子は田代に戻ってくるように説得。 田代はそれに応えるように匂わせる形で物語は終わっている。 映画「怒り」東京編ネタバレ 大西大西の結末はどうなった? 優馬の友人宅で起きていた窃盗事件は別の人間が逮捕され 山神が死亡したこともニュースで知った優馬は大西が犯人でなかったことに気づく。 優馬が激しく後悔していると、大西が公園で倒れて亡くなったという知らせが入ってくる。 大西は幼い頃に両親を亡くし、大学には働きながら通っていた苦労人であったことがのちにわかり 心臓疾患を患ったことで会社をクビになっていたことも判明した。 まず、山神はなぜ、殺人事件を起こしたのか。 さらに、「怒」という落書きの意味は何だったのか。 この二つに関しては小説でも映画でも明らかにされておらず 読者の間でもいろいろな憶測が飛び交っている。 私個人的には山神は泉が襲われている姿を見て喜んでいた性格から 普通の性格ではなく、殺人も単なる興味本位で行ったものだと感じる。 「怒」の落書きに関しては山神には描かれていない過去があり 「怒」を連想させる壮絶な出来事を経験していたため メッセージ的な感じで残したのではないだろうか。 この「怒り」という作品は犯人探しというよりも 自分が愛した人を信用することができるのかという点などから 非常に考えさせられる作品となっている。 上記にある小説版の「怒り」はより鮮明な内容となっており 映画を見た後に小説を読むとより内容が入ってくるとの評価もあるため 作品が気に入った方は手に取ってみるのも良いかもしれない。 「怒り」を無料で見る方法 ネタバレをご覧いただいたが、それを踏まえて実写版はどうなっているのかを見比べるのも より「怒り」を楽しむための見方の一つである。 そこで、以下のビデオマーケットというサイトでは映画「怒り」が配信されている。 そして、登録初月は無料なので、「怒り」を見たあとに解約してしまえば 実質無料で楽しめてしまうのだ。 登録も簡単で、種類が豊富なので 「怒り」以外にも面白い作品に出会うきっかけとなるかもしれない。

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映画「怒り」ネタバレ感想 人間社会で重要なたった1つのこととは?

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CONTENTS• 映画『怒り』の作品情報 公開 2016年(日本) 監督 李 相日 キャスト 渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、妻夫木聡、宮崎あおい 作品概要 『悪人』に続き、吉田修一の小説を李相日監督が映画化した群像ミステリードラマ。 第40回日本アカデミー賞ノミネート作品。 新人俳優賞 受賞 — 佐久本宝 最優秀助演男優賞 受賞 — 妻夫木聡 映画『怒り』のあらすじとネタバレ C 2016 映画「怒り」製作委員会 八王子夫婦殺害事件 ある猛暑日。 八王子で夫婦が殺害される事件が起こります。 現場には「怒」と壁に血文字で書かれたメッセージが残されていました。 被疑者である山神一也は逃走中であり、事件から1年が経過しても見つかりませんでした。 その事件から1年後。 報道番組で八王子夫婦殺害事件を取り上げます。 新宿の歌舞伎町で目撃情報があった事から、犯人は女装をして逃走を続けていると仮定して、山神一也の指名手配の写真の中に、女装をした合成写真を公開しました。 一方、山神一也の家に捜査で訪れていた刑事・南條(ピエール瀧)は、犯人の異常性を垣間見ていました。 大量のカップ麺やコンビニ弁当、缶コーヒーのゴミ。 壁全体には広告。 それに書かれていたのは、山神が日常で感じた大量のつぶやき。 素性の知れない男たち C 2016 映画「怒り」製作委員会 ー千葉ー 千葉の漁港で働く慎洋平(渡辺謙)は、3ヶ月前に家出をしていた慎愛子(宮崎あおい)を新宿歌舞伎町で見つけ、連れて帰ろうとしていました。 愛子は歌舞伎町の風俗店で働いていてました。 真面目な性格から客のどんな要求でも必死に答えようとしていた愛子は洋平が来た時には、精神的に大きなダメージを負っていました。 8年前に妻を亡くしてから、洋平が男手一つで育てて来た愛娘でした。 千葉の港町に戻って来た愛子は、洋平の元で働いていた田代(松山ケンイチ)と出会います。 いつしか2人は親しくなり、デートを重ね、だんだんと惹かれ合っていくのでした。 田代は2ヶ月前から働き始めた時給800円のアルバイト。 千葉へ来る前は、各地を転々としていた素性の知れない男で、自分の1人娘と交際する田代に対して、洋平は心のどこかでまだ応援することは出来ずにいました。 ー東京ー ある夜、ゲイの発展場にて、藤田優馬(妻夫木聡)と大西直人(綾野剛)は出会い、交わります。 直人は東京へ来たばかりで、知り合いの家を転々としている事を知った優馬は自分の家に呼びました。 始めは、直人が来るのは夜だけでしたが、優馬が体調の悪そうな表情を浮かべる直人に対して、昼間も家にいる事を提案します。 「まだお前を信用してないから、盗みがあったら通報するぞ」と優馬は言います。 しかし何も言わない直人に対して、「疑っているんだぞ、なんか言えよ」と続けると、直人は「疑っているんじゃなくて信じたいんだろ。 信じてくれて、ありがとう。 」と言います。 それから一緒に暮らし始め、優馬は前よりも少し早く帰宅して来るようになりました。 ー沖縄ー 沖縄の無人島に、小宮山泉(広瀬すず)と同級生の知念辰哉(佐久本宝)は来ていました。 最近、母親の都合で沖縄に越して来た肌の白さが目立つ女子高校生・泉は無人島の海、木々などの自然に魅了されていました。 泉は無人島の奥の方で見つけた廃墟にて、そこで暮らしていた田中(森山未來)と出会います。 この場所に来たのは数日前で、この辺りをふらふら1人旅しているのだと言います。 そして泉に自分がいる事は黙っていてほしいとお願いするのでした。 信頼 C 2016 映画「怒り」製作委員会 ー千葉ー 愛子と田代の交際は進み、2人は小さなアパートを借りて暮らすのでした。 漁港で真面目に働く田代に洋平は少しの信頼を置いてはいたが、愛子との交際を未だに応援する事は出来ずにいました。 素性の知れない田代の真相を調べるべく、洋平は千葉に来る前働いていたペンションへと向かいます。 そこで田代が前の職場では高橋という名前で働いていた事を知ります。 千葉に帰り、愛子に伝えると、愛子は身体を震わせながら田代の過去の話をしました。 田代が大学生の時に父親が作った借金の返済からずっと逃げているのだ、と。 ですが、愛子は騙されているのではないかと洋平の不信感は募るばかりでした。 ある夜、洋平がテレビを見ていると八王子夫婦殺害事件の特集番組がやっていて、その犯人と田代が似ていた事から、愛子にそれを告げます。 愛子も洋平も田代が殺人犯ではないかと疑い始めます。 ー東京ー 優馬の母・貴子(原日出子)が入院するホスピスに直人を連れて行きました。 直人は貴子とも打ち解けて、優馬が昼間仕事でいない時も貴子に付き添う事になり、貴子が亡くなった時も直人が貴子の隣にいてくれたのです。 その頃、優馬の知人宅に連続して、空き巣が入る事件が起こります。 それから直人に対する不安は募り始めます。 翌日、優馬は直人を中目黒のカフェで若い女性と話している所を見かけ、その夜、問い詰めます。 「お前は根本的なところで、俺を裏切っているんじゃないのか?」 それきり直人は優馬の前から姿を消しました。 ー沖縄ー 土曜日のある日、泉は辰哉に誘われて那覇にきていました。 そこの商店街の路地で、無人島に居た田中を見つけ声をかけます。 それから3人は居酒屋に入り、すぐに泡盛で酔っ払ってしまった辰哉を余所に、2人で楽しく談笑していました。 田中と別れてから、辰哉はフラっと何処かへ居なくなってしまいます。 その後を追いかけるうちに、泉は米兵が集まる路地に迷い込んでしまい、米兵達に口を塞がれ、襲われてしまいます。 「ポリス!ポリース!」と何処からか叫び声が聞こえ、米兵達は逃げていきました。 震えながら木陰に隠れていた辰哉は無残な姿の泉の元へ行き、警察を呼ぼうとしますが、泉に止められます。 「警察に言わないで、誰にも言わないで」 それからというもの泉は心を塞ぎ、家に引きこもって過ごすようになり、辰哉もまたあの夜から自分を悔やみ、苦しんでいました。 辰哉の住む民宿で手伝いに来ていた田中に、襲われた相手が泉だという事伏せて相談します。 すると田中はこう答えます。 「沖縄の味方にはなれないけど、お前の味方にだったら、いつだってなる」 辰哉は田中信じ、田中を頼ります。 田中はまめな時もありましたが、気分にムラがありました。 不機嫌な時は客の荷物にあたることもありました。 辰哉はそれを注意した時、田中は「考えても、自分ではどうしようもないことがある。 」と言い出ます。 実は田中もあの夜、泉のことを見たのだと辰哉に言います。 2人と別れた後、米兵達に襲われる泉を自分も見て、警察を大声で呼ぶ事しか出来なかった、追いかけていったら軍の敷地内に逃げ込まれてしまった、と。 あの時、警察を大声で呼んだのは田中で、彼もあの夜から悩んでいたのでした。 ある日突然、田中が夜中に食堂で暴れて、民宿から逃走します。 ー東京ー 犯人は新潟市内の整形外科で二重まぶたにしたという情報が入ります。 その他には、右頰に並んだ3つの黒子が並んでいる事が特徴的。 優馬はそれを聞き、気が動転します。 それは直人にも右頰に3つの黒子があったからでした。 そんな時に、警察から連絡があります。 「大西直人さんをご存知ですか?」 優馬は知らないと答え、急いで直人の私物を処分します。 ー千葉ー ある雨の降る日、愛子は傘もささず洋平の元へやってきます。 「警察に通報した」と愛子は泣きながら言います。 出勤前に田代のバッグに40万の大金を入れ逃走できるようにした後、電話をしました。 「八王子の犯人じゃないならお昼までに帰ってきて」と愛子は伝えます。 そして田代は帰ってこなかったのでした。 明かされる真実 C 2016 映画「怒り」製作委員会 ー千葉ー 捜査に来た警察に調べられ、その結果、山神と田代の指紋は一致しないことを告げられます。 その事実にその場で座り込む洋平と泣き噦る愛子。 疑ってしまった。 田代は嘘を付いていなかったのです。 その後、行方をくらましていた田代から電話が入り、愛子は田代を迎え東京へと向かうのでした。 ー沖縄ー 翌日、逃走した田中を追って辰哉は無人島の廃墟へ向かいます。 そこで見たものは「怒」と壁に大きく刻まれた文字と「米兵にヤラれている女を見た。 知ってる女だった。 女気絶、マジウケる」と壁に書かれた文字。 廃墟の外では山神が居て、裁ちばさみで自分の顔を傷付ける後ろ姿がありました。 物音で気付いた田中は辰哉の元に近寄り、「俺さ、一目見ただけで自分を信じてくれるかわかっちゃうんだよね。 俺の事を何も知らないのに。 」と、田中を信じて居た辰哉を批難します。 泉の件も田中の嘘でした。 本当は影で笑いながら見ていたのです。 裏切られた辰哉は落ちていた裁ちばさみを拾い、田中の腹を突き刺します。 ー東京ー 以前、直人を見かけたカフェで、直人と話していた女性・薫(高畑充希)に出会います。 「直人がどこにいるか教えて欲しい」 その問いに対して薫は少しずつ直人の話をします。 薫と直人は同じ施設で育ち、兄妹のような関係だということ。 そして先日、心臓が昔から弱かった直人が公園で倒れているのが見つかったこと。 亡くなったこと。 それを聞いた優馬は彼を信じることができなかったことを悔やみ、涙を流します。 事件の真相 ー沖縄ー 警察では山神の情報を持っているという男を尋問していました。 八王子夫婦殺害事件の当日は猛暑日で、山神は日雇いの派遣で指定された場所で待っていたそうです。 いつまで待っても来ないので、電話で問い合わせると、その現場は来週だと伝えられます。 電話の相手が笑っていたと、苛立ちが募らせながら山神は、住宅地で座り込んで休憩をしていました。 そんな時に、山神が座り込んでいた家の妻である被害者・尾木が帰って来て、冷たい麦茶を渡されます。 その見下す行為に、憤怒した山神は妻を殺害し、帰宅して来た夫も手にかけたのでした。 それが事件の真相でした。 後日、その事件の容疑者・山神を殺害したとして沖縄に住む知念辰哉が逮捕されます。 辰哉は警察に対して、こう言います。 「信じていたから許せなかった」 その頃、無人島の廃墟で「怒」の文字を見た泉は、やりようのない感情を沖縄の海にぶつけるのでした。 映画『怒り』の感想と評価 C 2016 映画「怒り」製作委員会 愛した人を信じられなかった絶望的な 哀しさと 辛さと 苦しさが心を震わせ、人を信じることの難しさを痛感させられます。 千葉編、東京編、沖縄編に加えて、警察の動向を見せる膨大の情報量であるのにも関わらず、全てのストーリーに 「この人が犯人なのか?」という軸があり、そこで感じる登場人物の 信用と不信といったような一貫したテーマがあるため、話がとてもわかりやすくなっています。 目紛しく変わるストーリー転換にも最後まで犯人がわからない展開にも、鑑賞者を惹き付ける作りになっています。 鑑賞後は友達同士で語り合いたいと思う 衝動感 と 高揚感は必ずあるでしょう。 特に直人が坂道で弁当の傾きを必死に直そうとするシーンは最高です。 あんな後ろ姿を見たら、優馬じゃなくても抱きしめてあげたくなります。 他にも数多くの良いシーンはありますが、ストーリー、展開もさることながら、要因を作っているのは何と言っても豪華俳優陣と彼らの熱演です。 他の子とは少し違う危うい存在の愛子を演じた 宮崎あおい。 ゲイという設定に薄っぺらさを微塵も感じさせなかった 妻夫木聡。 米兵に犯され心を失う泉を演じる 広瀬すず。 目を背けたくなるようなシーンも全力で映しきった李相日監督の本気度とそれに答えた俳優陣たちにも感動しました。 素晴らしい作品だと思います。 まとめ 吉田修一と李相日が再びタッグを組み、日本アカデミー賞にもノミネートした本作。 信じることで裏切られたときの虚しさと怒り。 疑うことで後悔をする感情。 どれだけ愛する人もただ受け入れるのは難しいことだと知ります。 同性愛や沖縄基地問題、派遣雇用問題など、日本の政治的問題も織り込んでて非常に見応えある映画です。 高畑充希や池脇千鶴、佐久本宝などサブキャストの名演技にも注目です。 鑑賞には体力が入りますが、おすすめです。

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