急性 腎盂 腎炎 と は。 腎盂腎炎の原因と症状

急性腎盂腎炎の症状・原因・治療方法について

急性 腎盂 腎炎 と は

hashimoto masayoshi こんにちは。 からだプラン代表医師の橋本です。 普段は内科医として働いています。 さて今回は、腎盂腎炎(じんうじんえん)についてのお話です。 患者さん 「……先生、お腹が痛い。 あと、だるいし、気持ち悪い……。 」 橋本 「大変! 何か心当たりはありますか!? 」 患者さん 「前に、腎盂腎炎になった時の辛さと同じ痛さです」 橋本 「なるほど、その時に何と言われましたか?」 患者さん 「えっと、水分を普段からとって、きちんとおしっこをするようにと。 そういえば最近忘れてました……。 腰・わき腹の痛み、発熱や震えといった症状があらわれ、尿に膀胱炎に似た異常が見られます。 男性よりも女性に多く見られるのも特徴です。 「腎盂腎炎ってなに?」という方や、「腎盂腎炎かもしれない……」と心配されている方、「診断を受けたけど、どんな病気なの?」と腎盂腎炎について知りたい方のために、症状・原因・治療についてや、普段から何を意識したらいいのかを、簡単に解説していきます。 腎臓は、血液から余計なものを取り除いて、尿にして捨てる働きをしています。 この途中で詰まってしまうと、尿は出ていきません。 詰まる原因としては、尿管や尿道に石が出来てしまっていることが多いです。 このことを、尿路結石と呼んだりします。 水分不足で尿が濃くなって、石ができてしまうんです。 初期治療が遅れると慢性腎盂腎炎に移行したり、敗血症 はいけつしょう を起こして命の危険に繋がることもあります。 それが何らかの原因で細菌が侵入してしまい、炎症を起こすのです。 細菌の侵入経路によって、大きく3つの感染タイプに分けることができます。 尿路上行性感染 何らかの原因で、尿管から細菌が腎盂まで達してしまう感染。 これが、もっとも多い感染経路です。 原因としては、• 腎盂・尿管の形態異常• 膀胱尿管逆流現象• 前立腺肥大症• 尿路結石• 腎盂・尿管の悪性腫瘍• 神経因性膀胱 しんけいいんせいぼうこう などが考えられます。 リンパ行性感染 膀胱、尿管、腎盂の周囲にあるリンパ腺を伝っての感染。 細菌の種類は多岐に渡りますが、主に大腸菌感染が多いです。 血行性感染 体の別の感染部位から、血液の流れを通じて感染。 別の臓器に細菌が感染していて、それが腎臓にも感染してしまうケースです。 元々の疾患への治療を同時に行っていく必要があります。 腰や背中の痛み• 尿がにごる、頻尿、残尿感などの膀胱炎に似た症状• 先天性に尿路の形態異常がある小さなお子さん• 妊娠している方• 前立腺肥大(ぜんりつせんひだいしょう)がある方• 尿路結石のある方• 他の病気で細菌への免疫力が落ちている方(糖尿病など)• ステロイド剤、抗がん剤などの使用で、免疫力が低下している方• 大人は〈泌尿器科〉か〈内科〉を受診してください。 診断 問診と触診、加えて検査が行われます。 検査 腎盂腎炎が疑われた時には、一般的に次のような検査が行われます。 尿検査• 血液検査• また、腎臓の形が異常であったり、尿路結石があったりなど、他の疾患がベースになっている場合には、それらにアプローチしないと、腎盂腎炎も治りません。 したがって、ベースとなる疾患に対する治療を行います。 予防 水分を普段から十分に飲むことが一番です。 水分不足で固まった石(尿路結石)が、直接腎盂腎炎の原因になる事もあります。 さらに、水分不足が尿路を洗い流す回数を減らしてしまって、菌が逆流しやすくなってしまうことも原因の一つです。 水を飲みすぎることの弊害が最近言われるようになりましたが、1日に1〜2Lほどの常識的な量を飲む分には心配ありません。 常温の水や、暖かい飲み物をとる方が、体が冷えず、吸収も良いため健康的です。

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急性腎盂腎炎の特徴・症状と治療法について【医師監修】救急病院一覧あり

急性 腎盂 腎炎 と は

[どんな病気か] 尿道(にょうどう)からさかのぼるようにして膀胱(ぼうこう)に入った細菌が、膀胱から尿管(にょうかん)に逆流した尿によってにまで運ばれ、腎盂や腎杯(じんぱい)、さらに腎実質(じんじっしつ)に感染をおこす病気です。 まれに、からだのほかの感染部位から血液やリンパ液に入った細菌が、直接腎臓に運ばれておこることもあります。 感染の多くは、片側の腎臓にだけおこりますが、両側のこともあります。 [原因] 感染する細菌は、大腸菌(だいちょうきん)、プロテウス、緑膿菌(りょくのうきん)、クレブシエラ、セラチア、シトロバクターなどのグラム陰性桿菌(いんせいかんきん)といわれるなかまが、ほぼ4分の3を占めます。 残りは、ブドウ球菌や腸球菌(ちょうきゅうきん)などのグラム陽性球菌(ようせいきゅうきん)のなかまが感染したものです(顕微鏡で観察するとき、グラム染色という方法で菌が青く染まるものを陽性といい、赤く染まるものを陰性という)。 若い女性に多くみられる、(ぼうこうえん)にともなっておこる急性は、ほとんどが大腸菌によるものです。 感染する経路として、もっとも多いのは、膀胱炎をおこした細菌が、なんらかの原因で尿管をさかのぼって腎臓に達する感染(尿路上行性感染(にょうろじょうこうせいかんせん))です。 尿の流れを悪くする尿路の病気(腎盂や尿管の形態異常、腎臓や尿管の結石(けっせき)やがん、尿管・尿道の狭窄(きょうさく)、神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)、膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)、前立腺がん)、全身の病気(糖尿病や痛風(つうふう)などの代謝(たいしゃ)疾患、重症疾患など)があると、腎盂腎炎がおこりやすくなります。 また、尿路以外のからだのどこかに化膿(かのう)した病巣(びょうそう)があって、そこから菌が血液中に入り、腎臓に運ばれることもあります(血行性感染(けっこうせいかんせん))。 同様にして、リンパ管に入って、腎臓に運ばれることもあります(リンパ行感染(こうかんせん))。 こうした感染は全身が弱ったときにおこりますが、こういう場合、原因となる細菌は、おもにブドウ球菌をはじめとするグラム陽性球菌です。 局所の症状としては、腎臓のあたりの痛み、腰痛(ようつう)があり、また頻繁(ひんぱん)に尿意を感じたり、残尿感、排尿時の痛みなど(膀胱炎症状)をともなうことがよくあります。 子どもでは、こうした局所症状よりは、発熱、ひきつけ、食欲不振、嘔吐などの全身症状が主体となります。 またお年寄りでは、反対に全身症状が現われにくく、高熱が出ないこともありますので、注意が必要です。 [検査と診断] まず、問診(もんしん)で熱の状態が聞かれます。 グラフにかくと、夕方から夜にかけて熱が上がり、朝いったん下がりますが、また夕方に上がるような曲線(熱型)になるのが特徴です。 触診(しょくしん)では、膀胱炎症状や腎臓部を押したときの痛みがないかを確かめます。 尿を検査して、細菌、たんぱく質などが含まれていないか確認します。 また、血液をとって、白血球(はっけっきゅう)の数や腎臓の状態を示すいろいろな物質を調べます。 そして、治療によって発熱などの症状がおさまったら、原因となるような尿路の通過障害がないか確かめるため、静脈性腎盂造影(じょうみゃくせいじんうぞうえい)(造影剤を静脈に注射して、腎臓から尿路に尿にまじって出てきたところをX線撮影する検査)を行ないます。 また、膀胱尿管逆流(「」)が疑われる場合は、膀胱造影を行なって、膀胱内の尿が尿管に逆流していないかをみます。 [治療] 安静と、抗生物質の使用などによる化学療法が基本です。 できるだけ安静を心がけ、ゆっくり休むことが必要です。 そのため多くの場合、入院が必要になります。 水分をなるべく多くとって、尿の量を増やすようにします。 吐(は)き気(け)などがあって水分がとりにくい場合は、点滴をします。 また、抗生物質の注射などによる化学療法も同時に行ないます。 尿路の通過障害、尿路の形態異常がなければ、こうした治療で、数日すれば、熱が下がってきます。 症状がおさまり、食事がとれるようになったら、内服剤にきりかえて、さらに1~2週間、治療を続けます。 このようなことから、入院期間は2週間程度になるのがふつうです。 症状がおさまった状態で、静脈性腎盂造影や膀胱造影を行ない、尿路に異常が見つかったら、その治療が必要となります。 子どもやお年寄りの急性腎盂腎炎では、炎症をおこしやすいなんらかの誘因が隠れていることがよくありますので、一度はこのような検査を受けておくとよいでしょう。 とくに、何回も再発する場合は、泌尿器科医(ひにょうきかい)に相談して、その原因を調べなければなりません。 また、この病気は、いったん治ったと思ったものが再発したり、おさまった炎症が再燃したりすることがありますので、医師の指示にしたがって、少なくとも2~3か月は通院して、尿の検査を続けるなどして、経過をみることが必要です。 尿路に異常がなければ、急性腎盂腎炎が治った後の経過はきわめてよく、腎臓の機能の低下といった後遺症を残すことはほとんどありません。 出典 家庭医学館について の解説 どんな病気か 腎盂や腎臓そのもの(腎実質)に細菌が感染して急激に起こる病気です。 先天性にがある乳幼児、既婚の女性、 ぜんりつせんひだいしょう などによる尿通過障害のある高齢者などに起こりやすい病気です。 初期治療が遅れるとに移行したり、 はいけつしょう を起こして生命が危険になることもあります。 原因は何か 腎盂や腎実質に感染を起こす経路として尿路上行性感染、血行性感染、リンパ行性感染などがあります。 尿路上行性感染とは、などの感染を起こしている細菌が何らかの原因で尿管を上行して腎盂に達するもので、その原因として腎盂・尿管の形態異常、、腎盂・尿管の悪性腫瘍、、 しんけいいんせいぼうこう 、などがあります。 血行性感染は、他の臓器に感染源があり、そこから細菌が血液によって腎臓まで運ばれて感染を起こすものです。 リンパ行性感染は、リンパ管を通って細菌が運ばれてくるものをいいます。 感染する細菌は大腸菌が多いのですが、その他の菌の場合も少なくありません。 また1種類の細菌だけでなく、2種類以上の細菌が同時に感染している混合感染のこともあります。 検査と診断 前記の症状に加えて、病巣のある側の背中を叩いた時に痛み( 脊柱肋骨 せきちゅうろっこつ 角部 叩打 こうだ 痛)があったり、尿検査で白血球や細菌が認められたり、また血液検査で白血球の増加、 赤沈 せきちん の亢進、CRP C反応性蛋白 の陽性が認められれば、急性腎盂腎炎と診断されます。 尿路の異常や通過障害を調べるため、静脈性腎盂造影や膀胱造影などの検査を行います。 区別すべき疾患としては、、急性炎症を認める腎炎(ANCA関連腎炎)などがあげられます。 治療の方法 できるだけ安静を心がけ、水分を多くとるようにします。 薬は抗生剤を投与しますが、細菌の種類によって効く抗生剤の種類も違うので、尿の培養検査で細菌の種類と抗生剤の感受性を調べる必要があります。 また、高熱が原因で脱水症状がある時は点滴が必要となります。 基礎疾患の有無にもよりますが、通常は1週間程度で軽快します。 完全に治すことが重要で、自己判断で抗生剤の服用をやめたりすると慢性化のおそれがあるので、内服は確実に行うようにします。 病気に気づいたらどうする 前述の症状がある時は、ただちに子どもは小児科、大人は内科を受診します。 適切な抗生剤による治療が必要です。 軽い場合は外来で治療できますが、全身状態が悪い場合は入院治療が必要です。 井尾 浩章 どんな感染症か 大腸菌など、主に大腸からの細菌が尿道口から侵入し、膀胱から腎盂にまで上行して炎症を引き起こす細菌感染症です。 20~40代の女性に好発します。 女性の急性腎盂腎炎の多くは、感染の原因となる尿路の病気(尿路基礎疾患:尿の流れに障害を起こす病気)を合併していることはありません。 しかし、繰り返し再発する人や男性の場合は、尿路基礎疾患が原因となっていることが強く疑われます。 主な尿路基礎疾患としては、、尿路腫瘍、尿路奇形(とくに膀胱尿管逆流症)などが考えられます。 症状の現れ方 主な症状は、 悪寒 おかん (寒気)、 戦慄 せんりつ (震え)、発熱、腰背部痛などで、急激に症状が現れます。 感染して発症した腎臓の部位(肋骨下方の右あるいは左側腹部)を軽く叩くだけで痛みを訴えるのが特徴です。 排尿痛や 頻尿 ひんにょう などの症状が先行する場合もあり、また、尿の混濁が肉眼でわかることもあります。 吐き気や嘔吐などの消化器症状を伴うこともまれではありません。 検査と診断 尿路感染症の診断には、尿検査が必須になります。 まず、顕微鏡で尿中の白血球と細菌の存在を確認します。 白血球が一定数以上認められると、尿路感染症が強く疑われます。 加えて、発熱や腰背部痛などの特徴的な症状を伴っていれば急性腎盂腎炎と診断されます。 また、細菌の種類と量を検索するために尿の細菌培養検査を、併せて各種抗菌薬の感受性(効き目)検査を行います。 培養の結果が出るまでには数日かかりますが、治療に有用な情報となります。 再発した場合は、尿路感染症の原因となった病気の有無を調べる必要があります。 超音波や放射線などを使用する腹部の画像検査は有用な検査法のひとつです。 治療の方法 原因は細菌感染であるため、治療は抗菌薬の服用が中心になります。 比較的全身状態がよい軽症の場合は、適切な抗菌薬治療で症状はすみやかに改善します。 治療の期間は通常1~2週間で、治療を終了したあと、再発の有無を確認するために一定期間(約1~2週間)をおいて尿検査を行います。 治療中は安静と十分な水分補給が必要です。 症状が改善しない場合は入院を考慮します。 発熱の程度が強い、水分や食事が十分に摂取できないなど重症の場合は、入院のうえ抗菌薬の点滴治療を行います。 発熱が治まれば、経口治療に変更可能です。 なお、尿路基礎疾患が見つかった場合は、併せてその治療も必要です。 尿路基礎疾患をそのまま放置すると、腎盂腎炎を繰り返す可能性が高くなります。 腎盂腎炎の治療と同時に治療することもありますが、多くは炎症が治まってから治療を開始します。 病気に気づいたらどうする 急性腎盂腎炎の治療では、適切な抗菌薬の服用が必要です。 放置すると細菌が血液中に侵入し、重症の感染症( はいけつしょう )に移行することもあるので、早めの受診をすすめます。 受診するまではなるべく安静を保ち、十分な水分補給に努めるようにしてください。 公文 裕巳 出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」 六訂版 家庭医学大全科について 世界大百科事典 内の急性腎盂腎炎 の言及.

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急性腎盂腎炎の症状・原因・治療方法について

急性 腎盂 腎炎 と は

[どんな病気か] 尿道(にょうどう)からさかのぼるようにして膀胱(ぼうこう)に入った細菌が、膀胱から尿管(にょうかん)に逆流した尿によってにまで運ばれ、腎盂や腎杯(じんぱい)、さらに腎実質(じんじっしつ)に感染をおこす病気です。 まれに、からだのほかの感染部位から血液やリンパ液に入った細菌が、直接腎臓に運ばれておこることもあります。 感染の多くは、片側の腎臓にだけおこりますが、両側のこともあります。 [原因] 感染する細菌は、大腸菌(だいちょうきん)、プロテウス、緑膿菌(りょくのうきん)、クレブシエラ、セラチア、シトロバクターなどのグラム陰性桿菌(いんせいかんきん)といわれるなかまが、ほぼ4分の3を占めます。 残りは、ブドウ球菌や腸球菌(ちょうきゅうきん)などのグラム陽性球菌(ようせいきゅうきん)のなかまが感染したものです(顕微鏡で観察するとき、グラム染色という方法で菌が青く染まるものを陽性といい、赤く染まるものを陰性という)。 若い女性に多くみられる、(ぼうこうえん)にともなっておこる急性は、ほとんどが大腸菌によるものです。 感染する経路として、もっとも多いのは、膀胱炎をおこした細菌が、なんらかの原因で尿管をさかのぼって腎臓に達する感染(尿路上行性感染(にょうろじょうこうせいかんせん))です。 尿の流れを悪くする尿路の病気(腎盂や尿管の形態異常、腎臓や尿管の結石(けっせき)やがん、尿管・尿道の狭窄(きょうさく)、神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)、膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)、前立腺がん)、全身の病気(糖尿病や痛風(つうふう)などの代謝(たいしゃ)疾患、重症疾患など)があると、腎盂腎炎がおこりやすくなります。 また、尿路以外のからだのどこかに化膿(かのう)した病巣(びょうそう)があって、そこから菌が血液中に入り、腎臓に運ばれることもあります(血行性感染(けっこうせいかんせん))。 同様にして、リンパ管に入って、腎臓に運ばれることもあります(リンパ行感染(こうかんせん))。 こうした感染は全身が弱ったときにおこりますが、こういう場合、原因となる細菌は、おもにブドウ球菌をはじめとするグラム陽性球菌です。 局所の症状としては、腎臓のあたりの痛み、腰痛(ようつう)があり、また頻繁(ひんぱん)に尿意を感じたり、残尿感、排尿時の痛みなど(膀胱炎症状)をともなうことがよくあります。 子どもでは、こうした局所症状よりは、発熱、ひきつけ、食欲不振、嘔吐などの全身症状が主体となります。 またお年寄りでは、反対に全身症状が現われにくく、高熱が出ないこともありますので、注意が必要です。 [検査と診断] まず、問診(もんしん)で熱の状態が聞かれます。 グラフにかくと、夕方から夜にかけて熱が上がり、朝いったん下がりますが、また夕方に上がるような曲線(熱型)になるのが特徴です。 触診(しょくしん)では、膀胱炎症状や腎臓部を押したときの痛みがないかを確かめます。 尿を検査して、細菌、たんぱく質などが含まれていないか確認します。 また、血液をとって、白血球(はっけっきゅう)の数や腎臓の状態を示すいろいろな物質を調べます。 そして、治療によって発熱などの症状がおさまったら、原因となるような尿路の通過障害がないか確かめるため、静脈性腎盂造影(じょうみゃくせいじんうぞうえい)(造影剤を静脈に注射して、腎臓から尿路に尿にまじって出てきたところをX線撮影する検査)を行ないます。 また、膀胱尿管逆流(「」)が疑われる場合は、膀胱造影を行なって、膀胱内の尿が尿管に逆流していないかをみます。 [治療] 安静と、抗生物質の使用などによる化学療法が基本です。 できるだけ安静を心がけ、ゆっくり休むことが必要です。 そのため多くの場合、入院が必要になります。 水分をなるべく多くとって、尿の量を増やすようにします。 吐(は)き気(け)などがあって水分がとりにくい場合は、点滴をします。 また、抗生物質の注射などによる化学療法も同時に行ないます。 尿路の通過障害、尿路の形態異常がなければ、こうした治療で、数日すれば、熱が下がってきます。 症状がおさまり、食事がとれるようになったら、内服剤にきりかえて、さらに1~2週間、治療を続けます。 このようなことから、入院期間は2週間程度になるのがふつうです。 症状がおさまった状態で、静脈性腎盂造影や膀胱造影を行ない、尿路に異常が見つかったら、その治療が必要となります。 子どもやお年寄りの急性腎盂腎炎では、炎症をおこしやすいなんらかの誘因が隠れていることがよくありますので、一度はこのような検査を受けておくとよいでしょう。 とくに、何回も再発する場合は、泌尿器科医(ひにょうきかい)に相談して、その原因を調べなければなりません。 また、この病気は、いったん治ったと思ったものが再発したり、おさまった炎症が再燃したりすることがありますので、医師の指示にしたがって、少なくとも2~3か月は通院して、尿の検査を続けるなどして、経過をみることが必要です。 尿路に異常がなければ、急性腎盂腎炎が治った後の経過はきわめてよく、腎臓の機能の低下といった後遺症を残すことはほとんどありません。 出典 家庭医学館について の解説 どんな病気か 腎盂や腎臓そのもの(腎実質)に細菌が感染して急激に起こる病気です。 先天性にがある乳幼児、既婚の女性、 ぜんりつせんひだいしょう などによる尿通過障害のある高齢者などに起こりやすい病気です。 初期治療が遅れるとに移行したり、 はいけつしょう を起こして生命が危険になることもあります。 原因は何か 腎盂や腎実質に感染を起こす経路として尿路上行性感染、血行性感染、リンパ行性感染などがあります。 尿路上行性感染とは、などの感染を起こしている細菌が何らかの原因で尿管を上行して腎盂に達するもので、その原因として腎盂・尿管の形態異常、、腎盂・尿管の悪性腫瘍、、 しんけいいんせいぼうこう 、などがあります。 血行性感染は、他の臓器に感染源があり、そこから細菌が血液によって腎臓まで運ばれて感染を起こすものです。 リンパ行性感染は、リンパ管を通って細菌が運ばれてくるものをいいます。 感染する細菌は大腸菌が多いのですが、その他の菌の場合も少なくありません。 また1種類の細菌だけでなく、2種類以上の細菌が同時に感染している混合感染のこともあります。 検査と診断 前記の症状に加えて、病巣のある側の背中を叩いた時に痛み( 脊柱肋骨 せきちゅうろっこつ 角部 叩打 こうだ 痛)があったり、尿検査で白血球や細菌が認められたり、また血液検査で白血球の増加、 赤沈 せきちん の亢進、CRP C反応性蛋白 の陽性が認められれば、急性腎盂腎炎と診断されます。 尿路の異常や通過障害を調べるため、静脈性腎盂造影や膀胱造影などの検査を行います。 区別すべき疾患としては、、急性炎症を認める腎炎(ANCA関連腎炎)などがあげられます。 治療の方法 できるだけ安静を心がけ、水分を多くとるようにします。 薬は抗生剤を投与しますが、細菌の種類によって効く抗生剤の種類も違うので、尿の培養検査で細菌の種類と抗生剤の感受性を調べる必要があります。 また、高熱が原因で脱水症状がある時は点滴が必要となります。 基礎疾患の有無にもよりますが、通常は1週間程度で軽快します。 完全に治すことが重要で、自己判断で抗生剤の服用をやめたりすると慢性化のおそれがあるので、内服は確実に行うようにします。 病気に気づいたらどうする 前述の症状がある時は、ただちに子どもは小児科、大人は内科を受診します。 適切な抗生剤による治療が必要です。 軽い場合は外来で治療できますが、全身状態が悪い場合は入院治療が必要です。 井尾 浩章 どんな感染症か 大腸菌など、主に大腸からの細菌が尿道口から侵入し、膀胱から腎盂にまで上行して炎症を引き起こす細菌感染症です。 20~40代の女性に好発します。 女性の急性腎盂腎炎の多くは、感染の原因となる尿路の病気(尿路基礎疾患:尿の流れに障害を起こす病気)を合併していることはありません。 しかし、繰り返し再発する人や男性の場合は、尿路基礎疾患が原因となっていることが強く疑われます。 主な尿路基礎疾患としては、、尿路腫瘍、尿路奇形(とくに膀胱尿管逆流症)などが考えられます。 症状の現れ方 主な症状は、 悪寒 おかん (寒気)、 戦慄 せんりつ (震え)、発熱、腰背部痛などで、急激に症状が現れます。 感染して発症した腎臓の部位(肋骨下方の右あるいは左側腹部)を軽く叩くだけで痛みを訴えるのが特徴です。 排尿痛や 頻尿 ひんにょう などの症状が先行する場合もあり、また、尿の混濁が肉眼でわかることもあります。 吐き気や嘔吐などの消化器症状を伴うこともまれではありません。 検査と診断 尿路感染症の診断には、尿検査が必須になります。 まず、顕微鏡で尿中の白血球と細菌の存在を確認します。 白血球が一定数以上認められると、尿路感染症が強く疑われます。 加えて、発熱や腰背部痛などの特徴的な症状を伴っていれば急性腎盂腎炎と診断されます。 また、細菌の種類と量を検索するために尿の細菌培養検査を、併せて各種抗菌薬の感受性(効き目)検査を行います。 培養の結果が出るまでには数日かかりますが、治療に有用な情報となります。 再発した場合は、尿路感染症の原因となった病気の有無を調べる必要があります。 超音波や放射線などを使用する腹部の画像検査は有用な検査法のひとつです。 治療の方法 原因は細菌感染であるため、治療は抗菌薬の服用が中心になります。 比較的全身状態がよい軽症の場合は、適切な抗菌薬治療で症状はすみやかに改善します。 治療の期間は通常1~2週間で、治療を終了したあと、再発の有無を確認するために一定期間(約1~2週間)をおいて尿検査を行います。 治療中は安静と十分な水分補給が必要です。 症状が改善しない場合は入院を考慮します。 発熱の程度が強い、水分や食事が十分に摂取できないなど重症の場合は、入院のうえ抗菌薬の点滴治療を行います。 発熱が治まれば、経口治療に変更可能です。 なお、尿路基礎疾患が見つかった場合は、併せてその治療も必要です。 尿路基礎疾患をそのまま放置すると、腎盂腎炎を繰り返す可能性が高くなります。 腎盂腎炎の治療と同時に治療することもありますが、多くは炎症が治まってから治療を開始します。 病気に気づいたらどうする 急性腎盂腎炎の治療では、適切な抗菌薬の服用が必要です。 放置すると細菌が血液中に侵入し、重症の感染症( はいけつしょう )に移行することもあるので、早めの受診をすすめます。 受診するまではなるべく安静を保ち、十分な水分補給に努めるようにしてください。 公文 裕巳 出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」 六訂版 家庭医学大全科について 世界大百科事典 内の急性腎盂腎炎 の言及.

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