ひととき この世 から 消え たかっ た の。 [MV] 赤頬思春期(BOL4)

#3 ひとときの痛み、ひとときの奇跡3

ひととき この世 から 消え たかっ た の

やっとこさ、終わります。 もちろん、漆黒クリア済みの方じゃないとネタバレあります。 あの人とか世界設定の捏造妄想あります。 それでもよい方はどうぞ。 [newpage] 闇の世界、第十三世界、ヴォイド。 それはかつてクリスタルタワーから行ったことのある世界。 暗闇の中、英雄の体の内の光でほのかに周りが照らし出され、妖異達が姿を現す。 そのそれぞれが鋭い牙もった大口を開いて、英雄の元へと我先にと向かって来た。 「死ぬなあ」 不思議に気持ちは凪いでいた。 アルバートも死ぬ前もこんな心持だったのだろうか。 あきらめではない、自分のやるべきことをやりきる、ただそれだけ。 それが自分が死ぬことだっただけ。 クリスタリウムの自室に遺書は置いてきた。 だれかいつか気づくだろう。 対応する暇なく、地面に叩きつけられた。 ********************************** 「召喚と黒魔法の混合による魔導書により無詠唱でヴォイドへの道を開き、私と自分自身を十三世界に送る。 鏡像世界同士での転移は時間のずれが生じることがあり、目印なしでは、いや目印があっても望む時空間に転移することが難しい。 それで時間稼ぎか。 よく考える」 呆れたようなエメトセルクの声が上から降ってくる。 「最悪、私が元の空間に戻れたとしても、自分が第十三世界いれば罪喰いになっても迷惑かけないと」 エメトセルクは黒水晶の指輪を床からつめみはめ、魔導書を拾い上げた。 「残念だったな。 そちらの水晶公とは違って、目印さえあれば正確に転移できる。 この指輪とお前に付けたイヤリングでな」 ハッと驚く。 エメトセルクにイヤリングがついておらず、自分の痛みのある耳の方、目の端に確かに金色が光っていた。 「お前が無様に寝ている間に、お仲間は片づけておいたぞ。 ああ、心配しなくていい。 殺してはいない。 きちんとお前が罪喰いになってからの最初の餌として取っておいてある」 唇を噛む。 体が軋む、重い、立ち上がれない。 「そろそろ限界だろう。 さっさと罪喰いになって理性をなくして、楽になるがいい」 エメトセルクの手の内で魔導書が炎に包まれ消えていった。 武器をとろうにも手が動かない。 何も動かない。 また、ガラスが割れるような身の内にひびが入る音が聞こえる。 甲高い乾いた炭を相打つような音が頭の中に響く。 息がうまくできない。 肩甲骨をなにかが押し上げ、胃の中をなにかがのたうちまわる感覚がする。 急激に飢餓感が襲ってきて、無意識に仲間をみやり、『オイシソウ』と思った。 さきほどの妖異のざわめきが頭の中を覆いつくす。 持っていた光のクリスタルの一つがピシリと割れて足元に転がる。 息を呑んで、それを見つめる。 もし、ヤシュトラかウリエンジェに意識があったら、その行動を止めていただろう。 散り散りになりそうな意識をより集め、一つの術式を編み上げる。 祈りによる蛮神召喚。 よりにもよって光のクリスタルをすべて使って。 自分の魂を拠り所にで自分の魂を召喚する術式。 一柱の光が英雄を包んだ後、その中からむっくりとフード姿の人が立ち上がる。 そこにはもうあの溢れそうな光がなくなっていた。 「すべての世界と人を救えだなんて、無茶いうなあ」 とぼやくと仮面を外し、左胸にあて、すっとお辞儀した。 「元十四委員会の一人、アルテマと申し上げる」 エメトセルクにとっては既知の、暁とっては未知の『英雄』がそこには立っていた。 床を構成するもの以外、外の夜景のようなアーモロートからスパークリングワインの泡のごとく細かくエーテルの光が沸いていく。 すでに『解体魔法』が始まっていた。 「って自己紹介の意味ないね。 ハーデス」 唖然とするエメトセルクに対し、その『英雄』はからからと笑った。 「ごめんよ。 私は昔のアーモロートも愛してるけど、穏やかでも朗らかでもない無秩序で騒々しいこの世界らも愛しているんだ。 失望するだろうけどね」 宙から白水晶をつけた杖を取り出して、『英雄』は構えた。 「これから君の魂を十四に分割してそれぞれの世界に送ることにする。 君の長年の重荷を下ろさせる」 「お前を英雄の座から堕としてやる!」 地を這うような低い声でエメトセルクは怒号した。 ********************************** 「お前を英雄の座から堕としてやる!」 その言葉とともに、感情の塊が襲い掛かってくる。 争いの元となる感情を集めつくした古代の災厄の獣より、自分を対象にしているだけに、たちがわるい。 ハーデスから大きな狼が慟哭めいた咆哮を上げているのが見える。 本人には見えていないだろうが。 強い感情は我々にとって劇薬だ。 エーテル酔いどころではなく、引きずられ飲み込まれる。 精神的に蝕まれる。 分かたれた新しい自分の記憶からそう思う。 そうでなくても浸食されていて苦しいのに。 しかし、このことが相手に知られたら確実に負ける。 思いの重さで意識的に殴られたら昏倒する。 悟られないよう無理やりに余裕ぶって笑ってみせる。 ハーデスの打ち鳴らした指の音と同時、数十の魔法の槍が出現するものの、瞬時に『解体』する。 「ちっ」 舌打ちすると、ハーデスは闇のクリスタルをガンブレードに変え、古代人らを創造する。 それも友人や知り合いそのままに創りあげる。 これらは人形と自分に言い聞かせて。 「ごめん」 魔法を組み上げ指を鳴らそうとした時、 『過去も今も助けてくれないのか』 かつての友人が恨ましげに悲しげにこちらを見た。 手が止まる。 青白い光が瞬き、視界を焼く、爆風と透明な壁の破片とともにハーデスがつっこんでくる。 ガンブレードの刃が首を狙っていた。 刃先がギリギリ前髪が当たるかどうかのところを通っていく。 後ろに飛びのき、創られた人から攻撃魔法を繰り出される前に解体する。 ありがとう 胸をとんと叩いて、杖を構え直した。 ここに暁の仲間がいれば、英雄の戦いそのものだと言っただろう。 軽々と剣さばきのごとく、杖で刃を防いでみせる。 その動きは英雄でありながら、口では詠唱を止めず強力な魔法を放ってみせる。 長引けば長引くほど、自身に不利なことをエメトセルクはわかっていた。 『解体魔法』は分解したエーテルを元にまた『解体』し、指数関数的に魔法の元となるエーテルを増加させる。 エメトセルクが自身の感情でかの『英雄』を傷つけていることに気づけたら、この勝負に勝っていただろう。 だが、アシエンである前に善き市民であろうとした男には気づけなかった。 善き市民にはふさわしくない感情、親しみというには重すぎ、愛情というには冒涜すぎる、哀しみと憎悪も一緒くたに煮詰めてどろどろにした感情。 却って、目的のためなら冷徹になろうとしたがために彼は負けた。 ガンブレードが砕け、エーテルの光となり霧散していく。 「賭けをしよう、ハーデス」 いたずらっ子のような笑みと杖を『英雄』はハーデスに向ける。 「君が分かたれた先でこの世界を愛せず、再度アシエンになり、分かたれたこの私がこの世界に絶望するなら、統合された世界の命を魂をエネルギーにして一万二千年もの過去へと渡り、古代人を魔法の使えないガレアン人に創り変え、感情と創造魔法からなる災厄から守ろう」 「はあ!?」 あまりの素っ頓狂なことにハーデスは素で反応する。 「ということで、頑張るんだよ"私"」 とんとんと、『英雄』は自分の肩を叩く。 その潜在下では英雄が溜息をついた。 「お前のそれは、人に丸投げというんだ!!」 「ひどいなあ。 これだとゾディアークもハイデリンも敵にまわすから大変なのに」 と事もなげに言ってみせる。 「まったくお前って、お前ってやつは!」 最後は言葉にならず、ただ、彼の感情の獣は大人しく丸まっていく・・・ 「さて、記憶はないだろうけど分かたれた先では私に優しくしておくれよ。 じゃあ、おやすみ、ハーデス」 『英雄』は赤子を寝付かせるようにハーデスの背中をとんとんと叩き、指を鳴らした。 アーモロートを構成していたエーテルが収縮し、ハーデスの魂を分け放った。 ********************************** アーモロートが崩壊し、波が一瞬にして英雄をのみこむ。 壮麗な姿の面影は少しで、瓦礫と化した街並みが逆さまな英雄の頭上に見えていた。 『英雄』の声が遠く聞こえる。 『実は言うとね。 私はただ仲間のいわゆる『蛮神』を解体するのに嫌になって出て行っただけで、英雄じゃないんだよ。 ハーデスがケツァルコアトルらのことを知らなくて良かった。 だけど、ちゃんと話していたとしたらどうなってただろう・・・』 それがヒュトロダエウスの疑問の答えなのだと気づく。 もうがらんとした街には誰もおず、草木すら生えていない。 『だからね、仲間と一緒に来た君は私にとって真の英雄だよ』 その言葉を最後に、ローブと共に『英雄』は消えた。 ********************************** いつもの習慣のように、英雄はクリスタリウムの個室に入ったら窓をあける。 そこには星が輝く夜空が広がっていた。 ほっとしてテーブルの上から封筒をとる。 「なんというか、無鉄砲だなお前は」 声をした方を振り向くとアルバートが立っていた。 「全員無事に帰って来たものの、そのだいぶ怒られました」 殺さない程度に戦闘不能にされた状態で、泳ぎが苦手なアルフィノとウリエンジェ(泳げないと言ったら否定される)が水没したアーモロートからよく帰ってこれたと思う。 水晶公のおかげもあったと聞いている。 「だろうな」 はっと笑われる。 と、おやっと首をかしげた。 アルバートの後ろの景色が見える。 「ところで、けっこう薄くなっているようじゃ・・・」 「だな。 もうこの世に執着がなくなってきたということだ。 お前がいるしな」 「そうか・・・」 寂しい気がしたが、このままというわけにもいかないだろう。 「これでお別れだ。 ありがとな、英雄」 ふいに一陣の風が吹き、彼は消えた。 「あっ」 手元の封筒が風に攫われて、窓の外遠く、連れ去るように上空へ舞う。 「私には必要ないということかな。 ・・・そうだね」 封筒の中身は遺書だということを彼は知らなかっただろうにと思いながら。 [newpage] タイトルの通り、錬金50のストーリー『ひとときの奇跡』のごとく、エメトセルクにあの人を会わせたかっただけのお話です。 それだけのために長くなってしまった。 あと、水晶公、アルバート、暁の活躍がなくなってしまった。 ヒカセン負けIFもいつか書きたい。 ここまで、読んでくれた方、いいねやブックマークつけてくれた方、ありがとうございました。

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「この世から消えてしまいたかった」スアレスがCL準決勝の衝撃的な敗退後の苦しみを告白(GOAL)

ひととき この世 から 消え たかっ た の

藤田竜さん、『薔薇族』の編集部から去ってしまった。 それと同時に若い多摩美大卒のN君が入社してくれた。 創刊のころ、訪ねてきてくれたことがある青年なので、前から知っていた青年で、毎日、楽しく仕事をしてくれていますと、「編集室から」にぼくは書いている。 竜さんは続いてこんなことを書いた。 「俺が考え出した「人生薔薇模様」にしても「男街13番地」にしても本当はこういう形でなかったのだけど、いろんなものは生まれるとひとり歩きしてゆくもので、だから、これからは俺もこの欄を利用させてもらうのに、かえって気持ちいい。 あんた、あの雑誌やってていい男いっぱい食ったんでしょ、なんて誤解は多いのであるけれど、実際は一人か、二人と付き合ったくらいで、まずは情けなくもなにもない。 お客さまは神さまであるから手をつけてはいけないのだ。 もう、フリーだから、これからは薔薇通信も大いに利用させてもらう。 ついでだから、ここに書いてしまう。 短髪、やや出腹、ヒゲと胸毛つき。 人はやさしい目といいます。 (このあと、くわしく希望を書いている) これ、本気なんだからね。 『薔薇族』と決別して傷ついている俺を誰かなぐさめてよ。 今まで本誌でがんばってきたのだから、男のおあたいぐらいあってもよかろうと思うのだが、どんなものだろう。 ひとときでも幸福になりたい人は、ドラゴンさんに手紙を出そう。 この文章に腹を立ててる人は、本質的に不幸になるだろう。 この世は常に天国と地獄がとなりあっている。 そして男好きの男の世界ではその格差が激しい。 不幸になる人は、己が罪とはいえ、どんどん不幸になるようになってる。 それも人生。 ドラゴンさんに気に入られたら、どんどん幸福になる。 それも人生。 ああ、愉快愉快。 ほんじゃ、ま、皆さん、お元気で。 ほんとにさようなら。 」 竜さんの大ファンで、すばらしい小説を書き残してくれたNHKのアナウンサーだった盾四郎さんが「花道から消えてしまった竜ちゃんに惜しみない拍手を!」と題して、うれしい一文を寄せてくれた。 まるで海老蔵が突然引退しちゃったみたいなもので、僕はとっても寂しい。 今、僕は創刊号を手に取った時の、あの新鮮な驚きを思い出すのだ。 こんな雑誌が発刊されるという予告は、それ以前に週刊誌か何かの記事で知ってはいた。 そしておそらく、毒々しい表紙の、乱雑に活字がつまった、あの種の雑誌なのだろうという予想が僕にはあった。 だから、今はない上野の地下道の本屋で創刊号をめくった時の清々しさは、むしろショックだと言ってよかった。 この種の雑誌でもこんなに綺麗に作れるものなのかと、その発見がショックだったのだ。 (中略) とにもかくにも、君は大向こうをうならせて、飛び六法で花道から消えてしまった。 チャリンと揚げ幕が閉まったいま、僕は客席より友情を込めて、惜しみない拍手を送るとしよう」 読者からも去っていた竜さんをおしむ手紙がたくさん寄せられた。 「竜さん、かっこ良すぎるぞ。 いさぎ良すぎるぞ。 僕はもっと竜さんの絵も見たいし、おフザケも、憎まれ口も聞きたかった。 そして、竜さんの弱さもみたかった。 (後略)(大阪市・Y)」 なんと数ヶ月して竜さん、戻ってきてしまった。 新入社員のNさん、いられるわけがない。 その後、Nさん、ラジオに番組をもったり、昨年はNHKの同性愛の戦後を描いた番組の主役にもなり活躍している。 天才には陰がつきものなのだ。 竜さん、ありがとう。

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致我的思春期

ひととき この世 から 消え たかっ た の

解説 映画プロデューサー・川村元気による同名ベストセラー小説を、佐藤健&宮崎あおい共演で実写映画化したヒューマンドラマ。 脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が姿を現わす。 悪魔は青年に、大切なものと引き換えに1日の命をくれるという。 電話や映画、時計など大切にしてきたものが次々と失われていく中、青年は元恋人と再会を果たし、かつての思いや別れの時を思い出していく。 親友や疎遠になった父の思いに触れ、亡き母が残した手紙を手にした青年は、人生最後の日、ある決断を下す。 「いま、会いにゆきます」などの岡田惠和が脚本を手がけ、「ジャッジ!」の永井聡監督がメガホンをとった。 人気音楽プロデューサーの小林武史が音楽を担当。 2016年製作/103分/G/日本 配給:東宝 スタッフ・キャスト ネタバレ! クリックして本文を読む 佐藤健さんが、一人二役をこなすという点が なによりもの楽しみであり、案の定、演技は素晴らしく 悪魔役の指の長さを変えるという細かな設定まで行き届いた演技を楽しませてもらいました。 表情、立ち振る舞い、声の質感などなど、同じ人が演じることの難しさと面白みを感じることができただけでも、娯楽としては成功だと思います。 話の内容は、他の方も書いているように、自分が今どの立場にいるかで、感じ方が違うのだろうなと思いました。 私自身は猫も飼っていなければ、両親も元気。 自分の寿命があと数日。 という状況でももちろんなし。 ただ、想像力を働かせ、映画の一つ一つに集中して、寄り添えば、より面白く鑑賞できる作品かと。 正直私は一度見ただけではよく分からないポイントが多々ありました。 何で2人は別れたのか?とかね。 そんで、なんでまた急に最後に宮崎あおいさんはハグするのか?とかね。 佐藤健さんと佐藤健さんが愛してやまない猫との絡みもまたホッとさせてくれます。 間違っても猫映画ではありません。 「デスカムトゥルー」 C IZANAGIGAMES, Inc. All rights reserved. 「ソニック・ザ・ムービー」 C 2020 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 「エジソンズ・ゲーム」 C 2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved. 」 C 2019 Sony Pictures Television Inc. and CBS Studios Inc. All Rights Reserved. 「ドクター・ドリトル」 C 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

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