カメラワーク すごい 映画。 迫力がスゴイ!おすすめスペクタクル映画11選

『パラサイト 半地下の家族』3つのポイントを意識すると3倍おもしろくなるネタバレ感想

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あまりに<異常>でほぼ「封印」されていた、途方もない傑作である。 裁判の際、「女性が私のために恐怖で震えているのが大好きだ。 それは中毒のようなもので、絶対に止まらない」「私は単に殺人への欲望から彼らを殺した」と語った、殺人鬼ヴェルナー・クニーセクが起こした1980年1月、オーストリアでの一家惨殺事件。 約8年の刑期を終えて予定されていた釈放の1ヵ月前、就職先を探すために3日間のみ外出を許された際の凶行だった。 決して世に放出してはならなかったこの狂人の異様な行動と心理状態を冷酷非情なタッチで描写した実録映画が『アングスト/不安』だ。 斬新なカメラワーク、狂人のモノローグで綴る構造、そして全編徹底された冷たく陰鬱なトーン。 荒涼とした暗鬱の世界をとらえる映像はひたすらに暗く寂しく、静謐な空気のなか響く狂人の魂の囁きが異常性を際立たせる。 描かれる内容もさることながら、作品自体が<異常>であり、その凄まじさは他に類を見ない映画史上に残る芸術性をも発揮、観る者の心に深い傷痕を残す。 1983年公開当時、嘔吐する者や返金を求める観客が続出した本国オーストリアでは1週間で上映打切り。 他のヨーロッパ全土は上映禁止、イギリスとドイツではビデオも発売禁止。 アメリカではXXX指定を受けた配給会社が逃げた。 ジェラルド・カーグル監督はこれが唯一の監督作。 殺人鬼の心理を探るという崇高な野心のもと全額自費で製作、全財産を失った。 発狂する殺人鬼K. を熱演したのは『U・ボート』(81)のアーウィン・レダー。 撮影、編集は『タンゴ』(81)でアカデミー賞最優秀短編アニメ賞を受賞した世界的映像作家ズビグニェフ・リプチンスキ。 冷徹なエレクトロサウンドは元タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペルのクラウス・シュルツが担当した。 この音源は作品の編集前から完成しており、リプチンスキとカーグル監督は音楽に合わせて作品を編集。 映画の内容を知らされていなかったシュルツは完成した作品を観て絶句、逮捕されるべきは劇中の殺人鬼なのか、あるいはこの映画を作ってしまった監督なのか、わからなくなったという。 狂人モノローグにはギロチンで死刑となった実在の「デュッセルドルフの吸血鬼」ペーター・キュルテンの告白の言葉が引用された。 1946年、ヴェルナー・クニーセクはオーストリア・ザルツブルグに私生児として産まれる。 学校を休みがちで、家出と盗みを繰り返した。 1963年、16歳の時に自分の母親をナイフで10回刺し、ドイツへと逃亡。 母親は生き延び、殺人未遂で彼はハンブルグで逮捕され、2年の拘禁を処された。 何件かの強盗の後、1973年、クニーセクは73歳の女性の家を訪ね、突然に銃で撃った。 彼は自身の精神の異常を訴えたが、懲役わずか8年半となる。 1980年、就職活動のために3日間の仮出所を許された彼は、55歳の母親、26歳の車椅子に乗った障害を持つ息子、24歳の娘の3人の住む家の窓を破壊して侵入。 夕方に帰宅した母親と娘をロープで縛り、強盗だと思った母親はクニーセクに小切手を渡した。 しかし、彼の動機は「殺人に対する純粋な欲望」であったため、3人を7~11時間に渡る素手での拷問の末に絞殺した。 一度、母親を延命させるために薬を与えたという。 彼らの飼っていた猫も殺害された。 クニーセクは、彼らの遺体とともに一夜を過ごした。 遺体を家族のメルセデスに詰め込んだクニーセクは、レストランを訪問。 食事の際も黒い手袋を身に着け、現金を大量に所持する無口な男を不審に思った従業員は、車のナンバープレートを書き留め、憲兵に通報。 一方、3人家族の家屋の壊れた窓を発見した憲兵は、彼らが行方不明となっていたため車の所在と共に捜索を始めていた。 間もなくしてクニーセクは逮捕され、トランクの中から遺体が発見された。 彼は地方裁判所の独房で自殺を試みたが、失敗に終わる。 1980年7月、終身刑を宣告される。 1983年、スタイン刑務所からの脱走を試みるが失敗。 1951年オーストリア生まれ。 音楽と医学について学んでいたが、ウィーンの演劇学校に入学し役者としての道を選ぶ。 TV映画などに出演したのち、大ヒット映画『U・ボート』(81)で強い存在感を放ち、知名度を上げる。 『Eis』(89)にて同年のミストフェスト映画祭で最優秀俳優賞を受賞。 『アングスト/不安』(83)では、主人公K. を凄まじい迫力と狂気を以て演じた。 『三銃士』(93)、『シンドラーのリスト』(93)、『アンダーワールド』(03)、『クリムト』(05)、『タクシデルミア ある剥製師の遺言』(06)など国内外の作品に多数出演。 舞台での活躍も多く、音楽的素養を活かしドラマーやアレンジャーなどとしても才能を発揮している。 1953年オーストリア生まれ。 1980年に、アルペンスキーの伝説的選手を追ったドキュメンタリー『Sceny narciarskie z Franzem Klammerem』を共同監督したのち、処女作にして唯一の長編映画『アングスト/不安』(83)を発表。 世界に大きな衝撃を与えながらも、内容があまりに過激でリアルだった事から当時本作の興行は惨憺たる結果となる。 制作予算だった約400,000ユーロは全てカーグルが自ら負担したため、大きな負担を抱えた。 1984年以降は作家、監督、プロデューサーとして100以上のCMやプロモーション映像の制作に携わり、カンヌ国際映画祭をはじめ30以上の国内外やクリオ賞などで受賞。 これによって『アングスト/不安』で失った金銭的ダメージを取り戻す事ができた。 1996年に自身のプロダクションであるHotel-TV City Lightsを設立。 これまでに20を超えるドキュメンタリーと教育映画を制作し続けている。 1949年ポーランド生まれ。 ウッチ映画大学を卒業後、スタジオ「セマフォル」へ入り監督としてデビュー。 第55回アカデミー賞・短編アニメーション部門を受賞した『タンゴ』(81)が代表作の一つとなる。 撮影と編集を担当した『アングスト/不安』(83)では、クレーン撮影のほか、鏡を駆使した技術的な小道具を発明し、独自のカメラワークを創り上げた。 活躍の場をアメリカへと広げ、ジョン・レノン「イマジン」、オノ・ヨーコ、ミック・ジャガー、ジミー・クリフ、ペット・ショップ・ボーイズなど数々のアーティストのMVの監督・撮影を手掛ける。 「オーケストラ」(90)にて同年のエミー賞特殊技術賞受賞。 日本でも、2005年にはDVDにて作品集が発売され、2006年には女子美術大学客員教授を務めるなど日本での人気も高い。 1947年ドイツ生まれ。 クラウトロックの代表格であるタンジェリン・ドリームやアシュ・ラ・テンペルの初期にドラマーとして活躍したのち、ソロ・アルバム「イルリヒト」(72)をリリース。 クラシックからの影響を受けた音楽性に加え、3作目となる「ブラックダンス」(74)よりシンセサイザーをメインにした音作りとなり、現在に至るまでのスタイルを確立していった。 ジェラルド・カーグル監督が彼の音楽が好きだった事から『アングスト/不安』(83)の楽曲を担当する事となる。 監督からの要望で、脚本に沿って作曲され、撮影した映像は音楽に沿って編集された。 シュルツは、「この映画は本当に狂っていて、現実的に殺人鬼を逮捕するべきか、それともこれを作った監督を逮捕するべきなのか、自分はわからなくなった」と困惑しながらも「この自由な制作スタイルのお陰で本物の音楽を作る事ができた」と語っている。 現在も精力的に活動中であり、2010年には来日公演も行った。 2回続けて、日を置いてもう一度。 同じ映画をこんなに短期間で繰り返し観たのは初めてでした。 彼は私たちが空腹を感じて食事を取るくらいの感覚で、 「殺人」について考え躊躇なく行動に移します。 その衝動は怒りや悲しみ以上に、人間の持つ「欲望」が作用しているように感じました。 この作品を観た人それぞれが、幾つもの嫌悪や悲壮感もしくは あって欲しくないですが 共感を経験する事で、人の心の複雑さを思い知らされるのではないでしょうか。 初めに忘れないで頂きたいのは、今後の映画人生において、この映画を何かの比較対象の基準にしてはならないという事。 この度の日本公開を知った時は思わず「ええっ!やっちゃっていいの!?」と声に出しておりました。 本作が世間一般の目に晒されてしまった日には、ショックから立ち直るのに必死な方々のやるせない感情の矛先が ホラー全般に向けられ、やり玉にあげられるのではないか・・・と、そんな不安もゼロでは無かったものの、 実は心配なのはそこではありませんでした。 この規格外の化け物じみた映画を、ましてやスクリーンで観てしまったらもう後には戻れない。 その覚悟と準備が日本の映画ファンにはあるだろうか?という点こそが不安であり恐怖でもありました。 かく言う自分も、本作を体験して以降、期待して観た話題のホラー映画にがっくり肩を落とすことの何と多くなってしまったことか。 繰り返しますが『アングスト/不安』を価値基準にしないように。 これに比べたら怖いとされるほとんど全ての映画が生ぬるく感じられますが、別にそれらが劣ってるわけではなくて、 この映画が異常なんです。

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映像と音楽による錯覚がすごい『ポンペイ』の二度見ポイント。「迫力がすごかった」で初見終わりしている方に伝えたい!【映画レビュー(ネタバレあり)】

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『ポンペイ』シングメディア編集部レビュー 学生時代、社会の成績はオール1。 世界史で覚えている言葉は「黒船来航」のみ。 そんな最強に歴史オンチの筆者ですら繰り返し何度も見てしまう歴史映画が、今回ご紹介する『ポンペイ』です。 火山の噴火により、一夜で街が灰と化した悲劇の実話を基に製作された今作。 監督は『バイオハザード』等で有名なポール・W・S・アンダーソンということもあり、とにかく映像が迫力満点ですごい! 筆者のように歴史オンチの方でも、初見時は最初から最後までその映像技術のすごさに引き込まれてしまったのではないでしょうか。 とはいえ「何だかわからないけど映像はすごかった」という印象しか残っていない感じもあったりなかったり……。 そこで具体的に『ポンペイ』の何がすごいのかを筆者なりの視点で解説! これを知ることにより、二度見はさらにワクワクさせられながら鑑賞できるはずです。 3つの二度見ポイント 「ポンペイ」の二度見ポイント1:引きや視点を巧みに使った絶妙なカメラワーク まず何と言っても初見で誰もが引き込まれたのが、壮大なポンペイの街並みや噴火する火山の迫力。 その凄まじさに序盤から終盤まで一切目が離せず、その映像技術にただ驚かされた人も多いのでは? 実はこれ、ポール・W・S・アンダーソン監督お得意の様々なカメラワークによって、私たちは知らぬ間に作品の世界の中に引き込まれていたのです。 引きをうまく使った撮影技術 ただポンペイの美しい街並みを映したり、噴火する火山を大迫力で見せたりするだけであれば、その画を画面いっぱいに映せば良い話です。 しかし今作では近くから遠くに、遠くから近くに、という引きをうまく使ったカメラワークにより、街並みや火山の噴火を実際の何十倍も凄まじく見せていたのです。 ポンペイの街並みひとつを見せるにしても、目の前を走る道から徐々に上空へとカメラの視点をあげ、最後には街並み全体を盛大に映し出しています。 また火山が噴火した際は、反対に遠くの視点から徐々に火山へと近づく手法で、そこでいかに恐ろしいことが起こっているのかということをじわじわ映し出していたのです。 瞬間ごとに視点が変わる決闘シーン 今作において街並みや火山噴火と同じく、強く印象に残ったシーンと言えば奴隷たちが生死をかけて戦う剣闘会の様子。 大体このような決闘シーンってだらだらと決着がつかず、飽きてしまう場合もあるのですが。 今作にいたっては決闘シーンで見飽きることは一切なし。 それどころか1秒たりとも目が離せなかった方もいるはず。 その理由は次々に変わっていく映像の視点。 何なら1秒ごとに決闘シーンの視点がころころ変わっていくため、見ているこちら側にまばたきする暇さえあたえてくれないのです。 その一瞬で変わっていく視点効果により、剣闘会シーンは飽きることなくずっと見られていたのかもしれません。 まるで3D作品を見ているような不思議さ そして二度見で鑑賞する際は、ぜひともスマホやパソコンではなく、大画面でご鑑賞いただきたい限りでございます。 初見を映画館で鑑賞した方であればお分かりの通り、今作は2D作品であるにもかかわらず、まるで3Dを見ているかのような不思議な感覚を味わえるのです。 突然池の水が熱により沸騰し、次々と地表が爆発していく瞬間。 火山の噴火により、剣闘会が執り行われていた闘技場が破壊されていく瞬間。 終盤で背を向けたアルティカが、大量の溶岩流に飲み込まれていく瞬間。 それらどのシーンも、まるで自分の目の前で恐怖の瞬間が起こっているかのようなリアルさがあるのです。 もうリアルすぎて見ているこちら側にも絶望感しか漂ってきません。 そんな3Dさながらのリアリティを求める方は、大画面でご鑑賞することを強くおすすめします。 さすがはポール・W・S・アンダーソン監督作品 初見で「とにかく映像がすごかった」という不思議な感覚に陥った方は、もしかするとこれらの巧みなカメラワークにより、思わず作品の世界観に引き込まれてしまったのかもしれません。 さすが映像技術がすばらしいポール・W・S・アンダーソン監督作品! 二度見の鑑賞の際は、ただ「映像がすごい!」だけでなく、絶妙なカメラワークや視点の切り替わりに注目してみてはいかがでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント2:スローモーション撮影をうまく駆使した演出 また今作では、比較的それぞれの登場人物に感情移入しやすく、物語的にも一歩先の展開が読めるので、頭を使って疲れることもありません。 それもあり、じっくり作品の世界に入り込んで鑑賞しやすい作品となっています。 でもなぜ深く考えることなく、最初から最後まで鑑賞を終えることができたのでしょうか。 その理由はスローモーション撮影をうまく駆使していることに隠されていました。 スローにより登場人物の心境が読める 今作ではいたるところでスローモーションを使ったシーンが登場します。 たとえば冒頭でローマ軍にケルト騎馬民族が蹂躙されるシーンでは、少年時代の主人公マイロが、家族や仲間たちが目の前で無残に殺されていく様子を見ている姿がスローで映されています。 そこでのマイロのセリフは一切なし。 しかしそのスローで映し出された姿から「一体何が起こっているの?」と、マイロの思考が停止してしまっている心境がひしひしと伝わってきます。 また屋敷が崩壊するシーンでは、ヒロインであるカッシアの目の前で仕えていた侍女が崩れ去る屋敷とともに落ちていきます。 この場面もスローで映し出されているのですが、同じくセリフは一切ないにもかかわらず、カッシアと侍女がお互いの名前を呼びあっている様子がスローの画ひとつだけで伝わってきます。 今作の登場人物に対して、比較的感情移入しやすかったのは、スローモーションのシーンにより、ゆっくりと彼らの心境を読むことができたからなのです。 先の展開が読めるので作品の世界観に入り込みやすい 物語的には実際の歴史を基にした作品ということもあり、正直、歴史オンチの筆者は初見時から内容が理解できるか不安でした。 ただ実際に見てみると次々に先の展開が読めるため、頭をフル回転することなく、あっさり作品の世界の中へと入り込めたのです。 この理由も、やはりスローモーションを使った手法によるもの。 剣闘会で仲間がピンチに陥った際、マイロが飛び出す場面がスローで映されているのですが、その一瞬のスローで「仲間の助太刀に行くのだ」と、あっさり先が読めてしまう。 またさらわれたカッシアを追いかける際は、途中で地割れが起きるのですが、ここでもスローのシーンが入るため「この割れた地面を馬に乗ったマイロが飛び越えるのだな」と、やはりあっさりと先が読めてしまう。 なによりこのスローモーションのシーンは、あっさりと先の展開が読めるだけでなく、その一瞬の映像が非常にカッコよく、今作における見どころをつくっているため、先の展開が読めても飽きることなく見続けることができるのです。 ときにはスローが恐怖を煽ることも 今作でのスローモーション技術は登場人物に感情移入したり、見どころをつくったりしているだけではありません。 ときにはスロー再生されることにより、私たちはなんともいえぬ恐怖を感じさせられていたのです。 火山が噴火したとき。 襲ってきた津波に何十隻もの船が飲み込まれたとき。 そしてラストにふたりが溶岩流に飲み込まれていくとき。 これらの恐ろしいシーンは、すべてスロー再生により映し出されています。 終盤にかけて何とも言えないドキドキハラハラする恐怖感に陥った方は、おそらくこのスローモーション技術により、より一層の恐ろしさを与えられたのかもしれません。 通常とスローのシーンを比較してみると楽しい 今作において、いたるところで登場するスローモーション撮影の技術。 そんなスローモーションを使った撮影技術により、私たちはその場で何が起こっているのか、登場人物が何を考えているのかを、無意識に考えさせられる時間をつくりだされていたのです。 二度見の際はそんなスローモーションシーンのことも頭に置きつつ、火山噴火のシーンや決闘中のシーンが、通常とスローでいかに迫力が違うかを見比べてみてはどうでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント3:映像技術と並んですばらしい音楽の演出 終盤の火山噴火のシーンだけでなく、序盤から中盤にかけての決闘シーンなど、終始ドキドキさせられる今作。 そこには映像技術による見せ方が理由のひとつであるのはもちろん、バックで流れる音楽の力もあったのです。 音楽によりうまく場面を切り替えている 映画作品にとって欠かせない、音楽。 今作でもポンペイの街並みで人々が楽しく過ごす様子を描いたシーンでは、軽快でポップな音が流れています。 しかし次の瞬間には、映像が奴隷たちを閉じ込めている檻のシーンに早変わり。 同時に音楽も先ほどとはまったく正反対の恐ろしい音へと変わっています。 そのように音を早変わりさせることにより、作中内での陰と陽をうまく表現している手法。 この手法によって一瞬でシーンが切り替わった際も、さっと次の場面に頭を切り替えることができるのです。 音の抑揚が決闘シーンを盛り上げていた また序盤から中盤にかけて多かった喧嘩や決闘のシーンでも、映像だけに限らず音楽が大活躍しています。 特にマイロとアティカスの決闘シーンでは、ふたりの会話中はほぼ音楽も流れず、ただ静かにセリフが響き渡るだけ。 ……かと思えば次の瞬間、いきなり決闘を始めるふたり。 ここで音楽も一気に大爆音で流れ始めます。 そしてまた会話に戻るとバックの音量は下がり、再び決闘が始まると大爆音が流れるという繰り返し。 この音の抑揚も相まって、決闘シーンは1秒たりとも目が離せない、固唾をのむ展開が続いていたのです。 逆に一切音楽を使わない演出も そんな音楽をうまく使用している今作ですが、実は逆に一切音を使わないことにより、一つひとつのシーンをリアルに表現していることもあります。 たとえばポンペイの街並みを映し出したシーンでは、音は一切使わず、人々の笑い声だけが響いています。 それにより市民の普段の暮らしぶりがよく分かる瞬間にもなっているのです。 また火山噴火直前の異変を知らせるシーンでは、こちらも音を一切使わず、異変に気付いた馬の鳴き声や天上から落ちる砂の音だけで、何か嫌な予感がするということを伝えています。 そして火山噴火により闘技場が崩壊していく瞬間においては、今作の見せ場であるにもかかわらず、またまた一切の音を使わず、観客の逃げ惑う叫び声と崩れるがれきの音だけで恐怖を再現。 大音量にドキドキハラハラさせられる反面、音がない場面では違った意味で恐怖を煽られてしまいます。 映像と合わせて注目したい音楽の演出 初見の際、ドキドキハラハラや謎の恐怖感や絶望感など何とも言えない感情を抱いた方は、おそらく映像と共にこの音をうまく使った演出に引き込まれたのかもしれません。 二度見では映像と合わせて、そんな音楽がかもしだす演出にも注目してみてください。 「すごかった」の一言で終わっている方にこそ二度見をしてほしい 大迫力の映像の数々に圧倒されつつも、物語としては、比較的鑑賞しやすい『ポンペイ』。 ただ初見では「映像がすごかった」「火山噴火の恐怖しか印象に残っていない」と感じた方も多いかもしれません。 その感想の理由は、巧みに製作された映像技術と音楽による演出にあったのです。 もし「すごかった」の一言で見終わったままの方がいれば、二度見以降は映像や音楽の一つひとつに注目しながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。 必ず初見時とはまた違った迫力を味わえるはずです。 『ポンペイ』を配信中の動画サービス 動画サービスで『ポンペイ』を観よう!.

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映像美もストーリーもすごい!”動く芸術品”映画おすすめ10選 | VOKKA [ヴォッカ]

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『ポンペイ』シングメディア編集部レビュー 学生時代、社会の成績はオール1。 世界史で覚えている言葉は「黒船来航」のみ。 そんな最強に歴史オンチの筆者ですら繰り返し何度も見てしまう歴史映画が、今回ご紹介する『ポンペイ』です。 火山の噴火により、一夜で街が灰と化した悲劇の実話を基に製作された今作。 監督は『バイオハザード』等で有名なポール・W・S・アンダーソンということもあり、とにかく映像が迫力満点ですごい! 筆者のように歴史オンチの方でも、初見時は最初から最後までその映像技術のすごさに引き込まれてしまったのではないでしょうか。 とはいえ「何だかわからないけど映像はすごかった」という印象しか残っていない感じもあったりなかったり……。 そこで具体的に『ポンペイ』の何がすごいのかを筆者なりの視点で解説! これを知ることにより、二度見はさらにワクワクさせられながら鑑賞できるはずです。 3つの二度見ポイント 「ポンペイ」の二度見ポイント1:引きや視点を巧みに使った絶妙なカメラワーク まず何と言っても初見で誰もが引き込まれたのが、壮大なポンペイの街並みや噴火する火山の迫力。 その凄まじさに序盤から終盤まで一切目が離せず、その映像技術にただ驚かされた人も多いのでは? 実はこれ、ポール・W・S・アンダーソン監督お得意の様々なカメラワークによって、私たちは知らぬ間に作品の世界の中に引き込まれていたのです。 引きをうまく使った撮影技術 ただポンペイの美しい街並みを映したり、噴火する火山を大迫力で見せたりするだけであれば、その画を画面いっぱいに映せば良い話です。 しかし今作では近くから遠くに、遠くから近くに、という引きをうまく使ったカメラワークにより、街並みや火山の噴火を実際の何十倍も凄まじく見せていたのです。 ポンペイの街並みひとつを見せるにしても、目の前を走る道から徐々に上空へとカメラの視点をあげ、最後には街並み全体を盛大に映し出しています。 また火山が噴火した際は、反対に遠くの視点から徐々に火山へと近づく手法で、そこでいかに恐ろしいことが起こっているのかということをじわじわ映し出していたのです。 瞬間ごとに視点が変わる決闘シーン 今作において街並みや火山噴火と同じく、強く印象に残ったシーンと言えば奴隷たちが生死をかけて戦う剣闘会の様子。 大体このような決闘シーンってだらだらと決着がつかず、飽きてしまう場合もあるのですが。 今作にいたっては決闘シーンで見飽きることは一切なし。 それどころか1秒たりとも目が離せなかった方もいるはず。 その理由は次々に変わっていく映像の視点。 何なら1秒ごとに決闘シーンの視点がころころ変わっていくため、見ているこちら側にまばたきする暇さえあたえてくれないのです。 その一瞬で変わっていく視点効果により、剣闘会シーンは飽きることなくずっと見られていたのかもしれません。 まるで3D作品を見ているような不思議さ そして二度見で鑑賞する際は、ぜひともスマホやパソコンではなく、大画面でご鑑賞いただきたい限りでございます。 初見を映画館で鑑賞した方であればお分かりの通り、今作は2D作品であるにもかかわらず、まるで3Dを見ているかのような不思議な感覚を味わえるのです。 突然池の水が熱により沸騰し、次々と地表が爆発していく瞬間。 火山の噴火により、剣闘会が執り行われていた闘技場が破壊されていく瞬間。 終盤で背を向けたアルティカが、大量の溶岩流に飲み込まれていく瞬間。 それらどのシーンも、まるで自分の目の前で恐怖の瞬間が起こっているかのようなリアルさがあるのです。 もうリアルすぎて見ているこちら側にも絶望感しか漂ってきません。 そんな3Dさながらのリアリティを求める方は、大画面でご鑑賞することを強くおすすめします。 さすがはポール・W・S・アンダーソン監督作品 初見で「とにかく映像がすごかった」という不思議な感覚に陥った方は、もしかするとこれらの巧みなカメラワークにより、思わず作品の世界観に引き込まれてしまったのかもしれません。 さすが映像技術がすばらしいポール・W・S・アンダーソン監督作品! 二度見の鑑賞の際は、ただ「映像がすごい!」だけでなく、絶妙なカメラワークや視点の切り替わりに注目してみてはいかがでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント2:スローモーション撮影をうまく駆使した演出 また今作では、比較的それぞれの登場人物に感情移入しやすく、物語的にも一歩先の展開が読めるので、頭を使って疲れることもありません。 それもあり、じっくり作品の世界に入り込んで鑑賞しやすい作品となっています。 でもなぜ深く考えることなく、最初から最後まで鑑賞を終えることができたのでしょうか。 その理由はスローモーション撮影をうまく駆使していることに隠されていました。 スローにより登場人物の心境が読める 今作ではいたるところでスローモーションを使ったシーンが登場します。 たとえば冒頭でローマ軍にケルト騎馬民族が蹂躙されるシーンでは、少年時代の主人公マイロが、家族や仲間たちが目の前で無残に殺されていく様子を見ている姿がスローで映されています。 そこでのマイロのセリフは一切なし。 しかしそのスローで映し出された姿から「一体何が起こっているの?」と、マイロの思考が停止してしまっている心境がひしひしと伝わってきます。 また屋敷が崩壊するシーンでは、ヒロインであるカッシアの目の前で仕えていた侍女が崩れ去る屋敷とともに落ちていきます。 この場面もスローで映し出されているのですが、同じくセリフは一切ないにもかかわらず、カッシアと侍女がお互いの名前を呼びあっている様子がスローの画ひとつだけで伝わってきます。 今作の登場人物に対して、比較的感情移入しやすかったのは、スローモーションのシーンにより、ゆっくりと彼らの心境を読むことができたからなのです。 先の展開が読めるので作品の世界観に入り込みやすい 物語的には実際の歴史を基にした作品ということもあり、正直、歴史オンチの筆者は初見時から内容が理解できるか不安でした。 ただ実際に見てみると次々に先の展開が読めるため、頭をフル回転することなく、あっさり作品の世界の中へと入り込めたのです。 この理由も、やはりスローモーションを使った手法によるもの。 剣闘会で仲間がピンチに陥った際、マイロが飛び出す場面がスローで映されているのですが、その一瞬のスローで「仲間の助太刀に行くのだ」と、あっさり先が読めてしまう。 またさらわれたカッシアを追いかける際は、途中で地割れが起きるのですが、ここでもスローのシーンが入るため「この割れた地面を馬に乗ったマイロが飛び越えるのだな」と、やはりあっさりと先が読めてしまう。 なによりこのスローモーションのシーンは、あっさりと先の展開が読めるだけでなく、その一瞬の映像が非常にカッコよく、今作における見どころをつくっているため、先の展開が読めても飽きることなく見続けることができるのです。 ときにはスローが恐怖を煽ることも 今作でのスローモーション技術は登場人物に感情移入したり、見どころをつくったりしているだけではありません。 ときにはスロー再生されることにより、私たちはなんともいえぬ恐怖を感じさせられていたのです。 火山が噴火したとき。 襲ってきた津波に何十隻もの船が飲み込まれたとき。 そしてラストにふたりが溶岩流に飲み込まれていくとき。 これらの恐ろしいシーンは、すべてスロー再生により映し出されています。 終盤にかけて何とも言えないドキドキハラハラする恐怖感に陥った方は、おそらくこのスローモーション技術により、より一層の恐ろしさを与えられたのかもしれません。 通常とスローのシーンを比較してみると楽しい 今作において、いたるところで登場するスローモーション撮影の技術。 そんなスローモーションを使った撮影技術により、私たちはその場で何が起こっているのか、登場人物が何を考えているのかを、無意識に考えさせられる時間をつくりだされていたのです。 二度見の際はそんなスローモーションシーンのことも頭に置きつつ、火山噴火のシーンや決闘中のシーンが、通常とスローでいかに迫力が違うかを見比べてみてはどうでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント3:映像技術と並んですばらしい音楽の演出 終盤の火山噴火のシーンだけでなく、序盤から中盤にかけての決闘シーンなど、終始ドキドキさせられる今作。 そこには映像技術による見せ方が理由のひとつであるのはもちろん、バックで流れる音楽の力もあったのです。 音楽によりうまく場面を切り替えている 映画作品にとって欠かせない、音楽。 今作でもポンペイの街並みで人々が楽しく過ごす様子を描いたシーンでは、軽快でポップな音が流れています。 しかし次の瞬間には、映像が奴隷たちを閉じ込めている檻のシーンに早変わり。 同時に音楽も先ほどとはまったく正反対の恐ろしい音へと変わっています。 そのように音を早変わりさせることにより、作中内での陰と陽をうまく表現している手法。 この手法によって一瞬でシーンが切り替わった際も、さっと次の場面に頭を切り替えることができるのです。 音の抑揚が決闘シーンを盛り上げていた また序盤から中盤にかけて多かった喧嘩や決闘のシーンでも、映像だけに限らず音楽が大活躍しています。 特にマイロとアティカスの決闘シーンでは、ふたりの会話中はほぼ音楽も流れず、ただ静かにセリフが響き渡るだけ。 ……かと思えば次の瞬間、いきなり決闘を始めるふたり。 ここで音楽も一気に大爆音で流れ始めます。 そしてまた会話に戻るとバックの音量は下がり、再び決闘が始まると大爆音が流れるという繰り返し。 この音の抑揚も相まって、決闘シーンは1秒たりとも目が離せない、固唾をのむ展開が続いていたのです。 逆に一切音楽を使わない演出も そんな音楽をうまく使用している今作ですが、実は逆に一切音を使わないことにより、一つひとつのシーンをリアルに表現していることもあります。 たとえばポンペイの街並みを映し出したシーンでは、音は一切使わず、人々の笑い声だけが響いています。 それにより市民の普段の暮らしぶりがよく分かる瞬間にもなっているのです。 また火山噴火直前の異変を知らせるシーンでは、こちらも音を一切使わず、異変に気付いた馬の鳴き声や天上から落ちる砂の音だけで、何か嫌な予感がするということを伝えています。 そして火山噴火により闘技場が崩壊していく瞬間においては、今作の見せ場であるにもかかわらず、またまた一切の音を使わず、観客の逃げ惑う叫び声と崩れるがれきの音だけで恐怖を再現。 大音量にドキドキハラハラさせられる反面、音がない場面では違った意味で恐怖を煽られてしまいます。 映像と合わせて注目したい音楽の演出 初見の際、ドキドキハラハラや謎の恐怖感や絶望感など何とも言えない感情を抱いた方は、おそらく映像と共にこの音をうまく使った演出に引き込まれたのかもしれません。 二度見では映像と合わせて、そんな音楽がかもしだす演出にも注目してみてください。 「すごかった」の一言で終わっている方にこそ二度見をしてほしい 大迫力の映像の数々に圧倒されつつも、物語としては、比較的鑑賞しやすい『ポンペイ』。 ただ初見では「映像がすごかった」「火山噴火の恐怖しか印象に残っていない」と感じた方も多いかもしれません。 その感想の理由は、巧みに製作された映像技術と音楽による演出にあったのです。 もし「すごかった」の一言で見終わったままの方がいれば、二度見以降は映像や音楽の一つひとつに注目しながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。 必ず初見時とはまた違った迫力を味わえるはずです。 『ポンペイ』を配信中の動画サービス 動画サービスで『ポンペイ』を観よう!.

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